その後は仕事の話クロム

 その後は仕事の話になり、ミモザはレオンハルトとアズレンの会話を聞亜鉛 サプリ おすすめdha epa dhaくのみであった。話題にはやはり野良精霊の異常増殖と狂化の件がのぼったが、現在は小康状態であり以前の同時多発などは起きていないが継続はしていること、原因は相変わらず不明であること、ゴーヤそして人為的に引き起こされていることは状況証拠的にほぼ確定であることがやり取りの中で明かされた。
 最後に「では期待しているぞ!我が国の最強の精霊騎士よ!!」というアズレンの激励を受けて挨拶は終わった。
 そうしてマッスル王子との面会をなんとか無事に終えたレオンハルトとミモザだったが、その2人の間には今、
「……えっ亜鉛 サプリと、お食事でもお待ちしましょうか?」
「いやいい」
 微妙な空気が流れていた。
 原因は明白だ。
(好みのタイプ聞かれてとっさにレオン様の名前出しちゃったからなぁ)
 ミモザはぼんやりと斜め上方を見やる。シャンデリアが眩しい。
 レオンハルトの性格的に、あのような場であのような名前の出され方はきっと不愉快だったことだろう。王子の発言からするともしかしたらミモザがエスメラルダと話している間、彼は不機嫌な表情を浮かべていたのかも知れない。
(不機嫌な顔の何が面白いのかはわからないけど…)
 クロムの効能謝罪しなければ、と思いつつもどうにもタイミングが掴めず気まずい沈黙が流れていた。いっそのこと一発殴ってくれたほうが謝りやすいまである。
「ええっと、」
「君は」
 そこでやっとレオンハルトは重い口を開いた。ミモザは開きかけた口を閉ざして彼を見上げる。レオンハルトはミモザのことは見ずに、手にしたグラスを眺めていた。
「先ほどの発言だが」
「す、すみませんでした!」
 思わず土下座する勢いで謝る。
「ええと、とっさに思い浮かんだ男性がですね!レオン様で!つい!」
「……そうか」
 恐る恐る見上げる。彼は非常に微妙そうな顔でこちらを見ると、はぁ、と一つため息をついた。
「君のことだから、そんなことだろうとは思ったよ」
「は、はぁ、えっと、次からは同じようなことを聞かれたら、えっと、別マカの誰かの名前を……」
「それはやめろ」
 強い口調に身をすくめる。ちらりと彼を見るとその目は据わっていた。
「それは、やめなさい」
「……はい」
「俺でいい」
 ふい、とまた顔ごと背けてレオンハルトはグラスを見つめる。
「そういう時に出す名は、俺でいい」
「……わかりました」
 本当はよくわかっていないがわかったふりをしておく。レオンハルトは「それでいい」と頷いたのできっとそれでいいのだろう。またしばらくの間が空き、どうしようかなぁとミモザがもぞもぞ身じろぎをし始めたあたりで、
「あー、君は」
 再び気まずそうにレオンハルトが口を開いた。
「はい?」
「ああいうのが好みなのか?」
「好み?」
 見つめ合う。先に目を逸らしたのはやはりレオンハルトだった。彼ははぁ、とため息を吐く。
「もういい。少し鷹を撃ちに行ってくる」
「鷹?」
「手洗いだ」
「あー……」
 レオンハルトからグラスを受け取りその後ろ姿を見送る。いつもよりその背筋が若干しょんぼりして見マカえるのはミモザの気のせいだろうか。ふと途中でレオンハルトは何かを思いついたように足を止め振り返ると「筋肉とか胸とかの餌をぶら下げられてもフラフラついて行くなよ」と念を押した。
「………はい」
 極めて遺憾である。

「ねぇ、あなた」
 レオンハルトがお手洗いに立って少しした頃に彼女は訪れた。
(僕のことを睨んでいた……)
 ピンクブロンドの髪に緑の瞳をした令嬢、アイリーンである。彼女はにっこりと笑顔でミモザに話しかけてきた。
「レオンハルト様からあなたを呼んでくるようにと言われたのだけれど、一緒に来ていただけるかしら?」
(嘘だな)
 とはすぐにわかったが、ここで平民のミモザが伯爵令嬢を無下に扱うわけにもいかないだろう。それに彼女の思惑も気になるところである。
「わかりました」
 ちょっとレオンハルトに言われた「フラフラついて行くなよ」が脳裏をよぎったが、別に餌をぶら下げられたわけじゃないからいいだろうとミモザは1人がてんして、彼女の誘いに応じることに決めた。
クロムの効能亜鉛 の サプリ亜鉛 の サプリ

「美人で巨乳の亜鉛 の サプリ

「美人で巨乳のお姉さんは好きかしら?」
 亜鉛 の サプリぽかんとするミモザの目の前には美人なお姉さんがdha epa dha立っていた。

 場所は中央教会に移動していた。このアゼリア王国では一応女神教が主流な宗教である。なぜ『一応』とつけたかといえば、精霊信仰もそれなりの数、というよりもそもそものベースに入っゴーヤてくるからだ。
 実は女神教自体は仲の良い隣国からの輸入である。この国の土着の宗教は精霊信仰であり、それは精霊は守護精霊も野良精霊もみんな尊いため敬いつつ仲良くやっていこうというアバウトなものだ。そこにはあまり具体的な教義や儀式は存在せず、概念だけがある。そして女神教はというと、この世の精霊は総じて女神ゴーヤ チャンプルー様が生み出した存在であるという宗教だ。教会も教義も存在するし、実は聖騎士を目指すにあたって攻略しなければならない7つの塔は通称『試練の塔』といい教会の管理下にある。これは女神様が人に課した試練、故に試練の塔ということらしい。ちなみに女神教が布教される以前の試練の塔は『精霊の棲家』と呼ばれており精霊信仰にとっても聖域に該当していたりする。この二つの信仰は特にぶつかることなく共存していた。理由は精霊信仰のアバウトさだ。女神教が渡ってきた時、この国の人間は精霊信仰マインドにより、精霊って亜鉛の効果いっぱいいるから精霊を生み出す精霊もいるよねー、というニュアンスでそれを受け入れた。つまり女神様自体も精霊の生みの親ということは精霊なので、精霊を信仰するという行為に変わりはないよね、となったのである。
 隣国の女神教はもしかしたら解釈が異なるのかも知れないが、少なくともこの国ではどの精霊を信仰するのも自由であり、女神様はすべての精霊の大元ということなので女神様を敬えば全部まとめてすべての精霊を敬ってる感じがするので便利だよねーというぐらいの感覚で急速に普及したという経緯があるのだった。

 真っ白い象牙でできた回廊を歩く。背の高い尖った屋根が特徴的なその建物は床も壁も屋根もすべて白で統一され、唯一窓だけが色とりどりのステンドグラスになっている。そしてその窓一枚一アントシアニンの効果枚が女神教の聖書に書かれる一場面を表していた。
「ミモザちゃんは中央教会は初めてかい?」
 田舎者丸出しでおのぼりさんよろしくキョロキョロと忙しなく周りを見るミモザにガブリエルは苦笑する。
「えっと、王都に来たのがそもそも一週間前が初めてなので」
「そりゃあいい。どこを見てもきっと楽しいぜ。王都はありとあらゆる店や施設がそろってるからな。観光はしたかい?」
「ええと」
 ミモザは言い淀む。それにレオンハルトは鼻を鳴らした。
「生活するのには便利だが、それだけだろう」
 その言葉にガブリエルはやれやれと首を横に振る。
「お前さんにとってはな。こーんなにかわいいお嬢さんなら楽しいことだらけだ。街に繰り出せばショッピングにランチ、きっとナンパもされ放題だな」
 ごほん、とレオンハルトが不機嫌そうに咳払いをする。そして「まぁ、服は新調した方がいいか」と呟いた。
 確かに、とミモザも頷く。3人はそろってミモザの返り血でべとべとになった悲惨な服を見た。
マカ と は「教皇様にお会いになる前に身綺麗にした方が良かったんじゃねぇ?」
「俺の家に行く通過点に教会があるんだ。二度手間になる」
「まぁお前さんが血みどろで教会に来るのはよくあることだけどよ」
 ガブリエルはため息をついた。
「ミモザちゃん、どーよ。観光にも連れてってくれねぇ、服も血みどろのまま着替える時間もくれねぇ、こんな師匠でいいのか?」
「えっと、特に困ってはないです」
 修行もつけてもらえてお金も稼げて食事も出る。正直いたれりつくせりである。
 そんなミモザの反応に、当てが外れたガブリエルは「無欲だねぇ」と肩をすくめた。
 その時ばさり、と音を立ててミモザの肩に何かが覆い被さった。びっくりして見上げるとレオンハルトは仏頂面で「着ていろ」と言う。
 掛けられたのはレオンハルトの軍服の上着だった。どうやらガブリエルの言葉を気にしたらしい。
 ミモザは掛けられた上着に腕を通し、少し歩いてみた。そして上着のすそをめくってみる。
 案の定、丈の長すぎる上着のすそはずるずると地面に擦られてたった数歩なのに茶色く汚れてしまっていた。
「レオン様、これ」
「後で洗わせる。着ていなさい」
 そのままレオンハクロムルトが歩き出してしまうのに、ミモザは慌てて前のボタンを閉めながらついて行った。
 ガブリエルはそれを新しいおもちゃを見つけたような表情で眺めながら、早足で2人を追い抜いて先頭に出ると一際大きな扉の前で足を止めた。
「ではでは、お嬢さん。こちらに御坐しますはこの中央教会の頭目にして教会騎士団の指揮者、女神教の首魁であらせられるオルタンシア教皇聖下でございます」
 おどけた仕草でお辞儀をし、扉を開いた。

 かくして、扉を開いた先に現れたのは、
「美人で巨乳のお姉さんは好きかしら?」
 黒い軍服に身を包んだ美人なお姉さんだった。
サプリメント マカゴーヤポリ ペプチド

「美人で巨乳のおdha epa dha

「美人で巨乳のお姉さんは好きかしら?」
 ぽかんとするアントシアニンの効果ミモザの目の前には美人なお姉さんが立っていた。

 場所は中央教会に移動してdha epaいた。このアゼリア王国では一応女神教が主流な宗教である。なぜ『一応』とつけたかといえば、精霊信仰もそれなりの数、というよりもそもそものベースに入ってくるからだ。
 実は女神教自体は亜鉛仲の良い隣国からの輸入である。この国の土着の宗教は精霊信仰であり、それは精霊は守護精霊も野良精霊もみんな尊いため敬いつつ仲良くやっていこうというアバウトなものだ。そこにはあまり具体的な教義や儀式は存在せず、概念だけがある。そして女神教はというと、この世の精霊は総じて女神様が生み出した存在であるという宗教だ。教会も教義も存在するし、実は聖騎士を目指すにあたって攻略しなけれ亜鉛 サプリばならない7つの塔は通称『試練の塔』といい教会の管理下にある。これは女神様が人に課した試練、故に試練の塔ということらしい。ちなみに女神教が布教される以前の試練の塔は『精霊の棲家』と呼ばれており精霊信仰にとっても聖域に該当していたりする。この二つの信仰は特にぶつかることなく共存していた。理由は精霊信仰のアバウトさだ。女神教が渡ってきた時、この国の人間は精霊信仰マインドにより、精霊っていっぱいいるから精霊を生み出す精霊もいるよねー、というニュアンスでそれを受け入れた。つまり女神様自体も精霊の生みの親ということは精霊なので、精霊を信仰マカ サプリするという行為に変わりはないよね、となったのである。
 隣国の女神教はもしかしたら解釈が異なるのかも知れないが、少なくともこの国ではどの精霊を信仰するのも自由であり、女神様はすべての精霊の大元ということなので女神様を敬えば全部まとめてすべての精霊を敬ってる感じがするので便利だよねーというぐらいの感覚で急速に普及したという経緯があるのだった。

 真っ白い象牙でできた回廊を歩く。背の高い尖った屋根が特徴的なその建物は床も壁も屋根もすべて白で統一され、唯一窓だけが色とりどりのステンドグラスになっている。そしてその窓一枚一枚が女神教の聖書に書かれる一場面を表していた。
「ミモザちゃんは中央教会は初めてかい?」
 田舎者丸出しでおのぼりさアントシアニンの効果んよろしくキョロキョロと忙しなく周りを見るミモザにガブリエルは苦笑する。
「えっと、王都に来たのがそもそも一週間前が初めてなので」
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「ええと」
 ミモザは言い淀む。それにレオンハルトは鼻を鳴らした。
「生活するのには便利だが、それだけだろう」
 その言葉にガブリエルはやれやれと首を横に振る。
「お前さんにとってはな。こーんなにかわいいお嬢さんなら楽しいことだらけだ。街に繰り出せばショッピングにランチ、きっとナンパもされ放題だな」
 ごほん、とレオンハルトが不機嫌そうに咳払いをする。そして「まぁ、服は新調した方がいいか」と呟いた。
 確かに、とミモザも頷く。3人はそろってミモザの返り血でべとべとになった悲惨な服を見た。
「教皇様にお会いになる前に身綺麗にした方が良かったんじゃねぇ?」
「俺マカ サプリの家に行く通過点に教会があるんだ。二度手間になる」
「まぁお前さんが血みどろで教会に来るのはよくあることだけどよ」
 ガブリエルはため息をついた。
「ミモザちゃん、どーよ。観光にも連れてってくれねぇ、服も血みどろのまま着替える時間もくれねぇ、こんな師匠でいいのか?」
「えっと、特に困ってはないです」
 修行もつけてもらえてお金も稼げて食事も出る。正直いたれりつくせりである。
 そんなミモザの反応に、当てが外れたガブリエルは「無欲だねぇ」と肩をすくめた。
 その時ばさり、と音を立ててミモザの肩に何かが覆い被さった。びっくりして見上げるとレオンハルトは仏頂面で「着ていろ」と言う。
 掛けられたのはレオンハルトの軍服の上着だった。どうやらガブリエルの言葉を気にしたらしい。
 ミモザは掛けられた上着に腕を通し、少し歩いてみた。そして上着のすそをめくってみる。
 案の定、丈の長すぎる上着のすそはずるずると地面に擦られてたった数歩なのに茶色く汚れてしまっていた。
「レオン様、これ」
「後で洗わせる。着ていなさい」
 そのままレオンdhaハルトが歩き出してしまうのに、ミモザは慌てて前のボタンを閉めながらついて行った。
 ガブリエルはそれを新しいおもちゃを見つけたような表情で眺めながら、早足で2人を追い抜いて先頭に出ると一際大きな扉の前で足を止めた。
「ではでは、お嬢さん。こちらに御坐しますはこの中央教会の頭目にして教会騎士団の指揮者、女神教の首魁であらせられるオルタンシア教皇聖下でございます」
 おどけた仕草でお辞儀をし、扉を開いた。

 かくして、扉を開いた先に現れたのは、
「美人で巨乳のお姉さんは好きかしら?」
 黒い軍服に身を包んだ美人なお姉さんだった。
dha epa dhaクロムマカ サプリ

「構えないのですクロム

「構えないのですか?」
 ジーンゴーヤは不思議そうにミモザにそう問いかけた。ミモザはそれにふふdhaん、と余裕の表情を返す。
「先に言っておきます。ジーン様、降参するなら今のうちですよ」
 オルタンシア教皇聖下は言った。『強い精神的ショック』を与えろと。
 つまり本人の元々の性質や精神を刺激により呼び覚ませばいいということだ。
 それはミモザの得アントシアニンの効果意分野である。
「………同じセリフを返しておきましょう」
 ジーンはわずかに警戒するように目を細めた。そしてこれ以上の話し合いは不要と言わんばかりに剣を構えて見せる。
 それを見てとって、ミモザは一歩前へと進み出た。
「ジーン様」
 そしてその場で軽くくるりと一回転した後、可愛らしくスカートをつまむ。
 小首をかしげてみせた。
「僕のような可愛いらしい金髪美少女に、暴力ゴーヤ チャンプルーを振るうのですか?」
「うっ」
 途端に彼が葛藤するように動きを止めた。
 にやり、とミモザは笑う。
 これが秘策である。
 何もなんの理由もなく、こんな動きにくい格好をしてきたわけではないのだ。
 ミモザは容赦なく攻撃を続ける。
「武器も持っていない金髪美少女相手に」
「う、くぅ……っ」
「ほらほら、スカートですよー、ヒラヒラですよー」
「う、うう……」
 もう一押しだ。相手は相当弱っている。
 ミモザは最終兵器を出すことにした。
「ジーン様……」
 こっそりと隠し持っていた目薬をさす。目もとがうるうゴーヤ チャンプルーるといい感じに湿った。
「あなたはそんな酷いことはなさいませんよね?」
 上目遣いでぶりっこポーズをとる。
「………くっ」
 ジーンはがくり、と地面に膝をついた。
「僕の中の非モテ男子が……っ、例え相手がミモザさんだろうと金髪美少女に暴力は良くないと訴えている……っ!!」
「失敬な」
 ミモザは素早く駆け寄ると膝をついたジーンに容赦なく手刀を叩き込んだ。
 ジーンがぱたり、と音を立てて倒れる。
 ミモザはそんなジーンのそばで両手の拳を構えてスタンバイした。頭の中ではカウントダウンが開始する。
 ワン、ツー、スリー。
 脳内で勝利のゴングが鳴り響く。
「アイアム、ウィナー!」
 ミモザは構えていた拳を天高くへと突き上げて勝者のポーズを取った。
 ミモザ、大勝利である。
「………もう少し女の子と遊ばせるべきなのかdha epa dhaしら」
 その弟子のていたらくを見ていたフレイヤが、思案するようにそうつぶやいた。

「何やってるんだ、あいつは……」
 それを見ていたマシューは呆れたようにぼやいた。
「まぁまぁ、そう言ってやるなよ」
 そんなマシューにガブリエルが声をかける。
「お前さんも今にそんなことは言ってられなくなるさ」
 そう言って彼はジェーンの肩を促すように軽く押した。ジェーンはその理知的な瞳を悲しげに伏せると、何かを決心したかのように顔を上げ、前へと進み出る。
「マシュー」
 そうして静かに口を開いた。
「わたしは、貴方を助けるために鬼になるわ」
「………? 一体何を……」
 訝しげに目を細める彼に、ジェーンはバックから何かを取り出した。それは一冊の本である。
 そこには幼い文字で『にっきちょう』と書かれていた。
 マシューは顔色を変える。
「そ、それは……っ」
「貴方の妹さんに事情を話して借りてきたのよ。マシュー、わたしは今からこれを……」
 ジェーンの瞳がひたり、と真剣にマシューを見据えた。亜鉛 サプリ おすすめ
「音読するわ」
「や、やめ……」
 止めようとするがもう遅い。ジェーンは本を開いた。
「おとなりにすむライラちゃん、きょうもとてもかわいいです。しょうらいけっこんしてくださいとおねがいしたら、いいよといってくれました」
「ぐあああああっ!!」
 マシューは耳を塞いで叫ぶ。しかしジェーンは続ける。
「きょうライラちゃんがだれかとあるいているところをみました。ライラちゃんにだれかをきくと、こまったかおでカレシだといいました。カレシってなんだろう?」
「や、やめ、やめて……」
「しょうらいはライラちゃんとおおきなおうちでしろいいぬといっしょにくらしたいです。おしごとはみみずをとるおしごとをします」
「ひいいいいいっ」
 その光景を見てガブリエルはつぶやいた。
「えぐいなー」
 ミモザもそれには同意だ。
 子どもの頃の淡い思い出を人前で暴露されてわなわなと震えるマシューにミモザは同情しつつ、他人事として見守った。
 ちなみにこの作戦の提案者はミモザである。
「きょうおかあさんにカレシってなにってきいたら……」
「や、やめてくれぇ!!」
 たまらずマシューが白旗をあげた。
「……戻る気になったかしら?」
「なった! なったから!!」
 そこまで叫んではっ、とマシューは目を見張る。
「俺は、ど亜鉛 サプリ おすすめうして……。今までなにを……?」
「解けたみたいだな」
「解けたみたいですね」
 その様子を見てレオンハルトとミモザは頷く。
 ふぅ、とミモザは汗を拭う仕草をして物憂げにため息をついた。
「とても尊い犠牲でした……」
 主に成人男子としての尊厳とかプライドとか。
「君だけは敵に回したくないな」
 無表情に淡々と、レオンハルトはそう言った。
ゴーヤマカ サプリクロム

「ミモザ?何をや亜鉛

「ミモザ?亜鉛 の サプリ何をやっているのポリ ペプチド?」
 扉を開いて広がった光景にステラは絶句した。
 部屋の中の棚という棚は開けられ、中に入っていた物はすべて引き出されている。
 その荒れ果てた部屋の中心にはミモザの姿。
「それ、わdha epa dhaたしの……」
「………っ」
 ミモザは手に握っていたネックレスを乱暴に地面へ投げ捨てた。そのまま開いていた窓から外へと飛び出す。
「ミモザ……っ!!」
 ステラが窓を覗き込んだ時にはもう、ミモザの逃げ去る後ろ姿は小さくなっていた。
「あいつ、泥棒かよ……」
 後から部屋に入ってきたアベルがぼやく。
「あの子ったら、魔導石だけじゃなくて他のものまで盗もうと……」
「通報するかい?」
マカ サプリ マシューが尋ねてくるのに、ステラ首を横に振った。
「いいえ、あの子はわたしの可愛い妹だもの」
 その頬には一筋の涙が伝っていた。

「……ううう、窃盗罪」
 最悪な目覚めである。チロは窃盗罪くらいなんだ、と鼻を鳴らして見せた。
「あー……」
 以前ゲームの『ミモザ』の悪行を思い返した時、魔導石を奪ったり、塔に入ろうとするのをいちゃもんをつけて妨害したりは思い出せたが、どうやら普通に他の物も漁っていたようだ。
「泥棒キャラなんだろうか」
 何にせよ最悪な目覚め、最悪なスタートである。
 そう、スタート。
 初めてレオンハルトに出会ってから、3亜鉛の効果年の月日が経過していた。
 結局あれからミモザは王都と家を行ったり来たりする生活を送っていた。1ヶ月を村で過ごし次の1ヶ月は王都、また1ヶ月は村、といった具合である。たまに突発的に呼ばれて王都に行くこともあったため、心理的な距離感はもはや第二の実家のように思い始めている。
 途中、13歳になって以降、レオンハルトから『さっさと塔の攻略してこいオーラ』を感じていたが、ゲームとストーリーがズレることを恐れてずっと適当な理由をつけてスルーしていた。
 それに何より、ステラから聖騎士の座を奪うために同じタイミングで王都の御前試合に挑みたかったのだ。ミモザが先回りして奪ってやってもいいが、やはり正面から堂々と、同じ立場でやり合って勝利してやりたいのだ。
(まぁ、僕の気持ちの問題だけ亜鉛 の サプリど)
 そして本日、学校の卒業試合からこのゲームは開始する。
 ステラは勝利という栄光から、そしてミモザは敗北という屈辱からこの物語は始まるのだ。
 ふぅ、と深く息を吸って吐く。
「とりあえず、勝率を上げるおまじないを……」
 ミモザはもそもそと布団から這い出た。

(……ついに来てしまった)
 ミモザの前にはもはや懐かしい学校の校舎がある。
 恐れているのか、それとも期待に胸を膨らませているのか、もはやミモザにもわからない。ただ興奮していることだけはわかる。
 泣いても笑っても、一回だけの卒業試合だ。
(ここで勝つ。運命を変える)
 無論最終目標は聖騎士だ。王都での決闘での勝利である。しかしここで勝てれば、それだけでゲームのストーリーからは外れることができるという証明になるのだ。それは何にも変えがたい自信をミモザに与えてくれるだろう。
 ゆっくりとアントシアニンの効果歩いて校庭へと入る。もう試合会場には生徒が集まっていた。開始時間ぎりぎりを狙ってきたかいがあり、ミモザの到着は最後の方のようだ。
 でかでかと掲示板に張り出された対戦表を見る。ゲームの展開からしてそうだろうとは思っていたが、トーナメント方式のそれの1番下にミモザとステラの名前は並んで書かれていた。
 つまり、初戦でステラと戦うのである。
(まぁ、そりゃそうか)
 ミモザは『落ちこぼれキャラ』である。決勝戦まで勝ち進んで負ける、などという華々しい戦歴は与えてくれないだろう。
 つまりゲームのミモザは初戦敗退、そしてステラは優勝で卒業したということだ。
「なんか僕がグレたのは必然な気がしてきた」
「チチッ」
 肩を落とすミモザに、今日は相手をぶち殺すつもりで行くぞ、とチロが発破をかける。
「何が必然なの?」
 その時、鈴の音を転がすような声がした。弾かれたように振り返る。
「……お姉ちゃん」
「もう、ミモザったら、お寝坊さんなんだから。一緒に行こうって言ったのに!」
 そこには頬を膨らませて可愛らしく怒るステラがいた。
 長いハニーブロンゴーヤ チャンプルードは試合のためか、編み込んで落ちてこないように結い上げている。服装もいつもの可愛らしいひらひらとしたワンピースではなくレースやフリルは付いているもののパンツスタイルになっていた。騎士服を模したようなジャケットも羽織っており、可愛らしさと凛々しさの混在した絶妙なバランスの服装だ。
(ゲームと同じ服装……)
「ミモザ?」
 訝しむような声にミモザはハッと我に返る。
「どうしたの?具合が悪い?なら今すぐ先生を呼んで……」
「だ、大丈夫だよ、お姉ちゃん!ちょっと緊張してただけ!」
 慌てて手と首を振って否定する。ステラはまだ少し疑わしそうにしていたが、「少しでも具合が悪かったら我慢しちゃダメよ」と釘を刺すに留めてくれた。
「ミモザは本当に危なっかしいんだから!1人にしておけないわ!」
「え、へへへ……」
 とりあえず笑って誤魔化すミモザである。ふと、姉の後ろに見知った姿を見つけて顔をしかめた。
「……アベル」
「あ!そうなの!アベル!ほら、こっち!」
 ステラが何もわかっていないような態度でアベルのことを呼ぶ。その場から立ち去るタイミングを逃し、ミモザはアベルと対峙するはめになってしまった。
「ミモザがお寝坊さんだからアベルと一緒にいたのよ」
 久しぶりの再会に、アベルは神妙な顔をしていた。そして緊張した面持ちで「ミモザ、俺」とゴーヤ チャンプルー口を開く。
「謝らないで」
 それにミモザは機先を制した。その言葉にアベルが何かを勘違いしたかのようにほっと息を吐くことに、ミモザは眉を寄せる。
「アベル、僕はね、貴方の自己陶酔に付き合う気はないの」
 アベルは息を呑む。ミモザは無視してまくしたてた。
「僕は貴方を許さない。だから謝らないで、勝手に肩の荷を下さないで、すべて終わって過去のことのように振る舞わないで、一生自分のやったことを忘れないで」
 手と声が震える。強くなったはずなのに、あの頃とは違うはずなのに、今だに身体が恐怖を覚えている。そのことが許せなくて、ミモザは手のひらをぐっと握りしめて無理矢理震えを止めると、アベルのことを強く睨んだ。
「僕は貴方を許さない」
「……どうすれば、許してくれる」
 ミモザの話を聞いていなかったかのような切り返しに苛立つ。何をしても許さない、と言おうとして思い直す。
「僕と同じ目に合えば」
 アベルが驚いたような顔でこちらを見た。その瞳をじっと見つめ返してミモザは続ける。
「毎日毎日罵倒されて、暴力を振るわれて、これが一生続くんじゃないかって絶望してよ」
 アベルの瞳に映る感情はなんだろうか?興奮状態のミモザにはわからない。
「できるものならやって見せてよ」
「………っ」
 アベルが目をそらして俯いた。その傷ついたような態度に余計に腹が立ったが、いままでとは違い目を逸らしたのがミモザではなくアベルであったことに多少の溜飲が下がる。
 以前までは、傷ついて俯くのはミモザだった。
(もう今までの僕じゃない)
 強くなっゴーヤ チャンプルーた。強くなったのだ。
(アベルのことなんて、いつでも殺せる)
 何度夢見たことか。自分の手でその顔を殴り、黙らせることを。それはもはや夢ではないのだ。やろうと思えばやれる。今のミモザならば。
(やらないけど!)
 ふんっ、とミモザはアベルのことを鼻で笑ってやった。アベルのような『低次元な』レベルに合わせた行為をやり返すつもりはなかった。 
「もう!ミモザ!どうしてそんな意地悪なことを言うの?」
 そこに空気の読めない声がする。ミモザは半ば嫌々そちらを向いた。
「お姉ちゃん……」
「アベルはちゃんと反省してるんだから……」
「ステラっ!」
 しかしその声を止めたのはアベルだった。彼は青白い顔で、しかしきっぱりと言う。
「いいんだ。俺が悪い。ミモザの言うことは正しい」
「アベル……」
 ステラは瞳を潤ませて彼を見た。
(なんだこの空気……)
 呆然と立つミモザに、チロはその肩をとんとん、と叩いて注目を促すと親指でくいっと校庭の中心あたりを指さした。
 その目は、こいつらもう放っておいてあっち行こうぜ、と言っている。
 ミモザはそれに無言でこくりと頷き、ゆっくり、ゆっくりと後退りをしてその場からいなくなろうとしてー…、
「ミモザっ!」
 失敗した。ステラはミモザのことを真っ直ぐに見つめてくる。
 猛烈に嫌な予感がした。
「この試合でわたしが勝ったら、アベルと仲直りしてちょうだい!」
 予感は的中した。
dha epa dhadha epa dhaクロムの効能亜鉛

 ゴードンは新dha

 ゴードンは新米兵士である。
 一応精霊使いと名乗れる程度の素養はあるが、塔を5つ亜鉛 の サプリ目で挫折したため精霊騎士ではない。それでも5アントシアニンつ目の塔まで攻略した実績を評価され、王国騎士団の下っ端として拾ってもらえたのだ。エリートコースを歩むためには精霊騎士になることが必須であるが、田舎の出身で王都で暮らすことを夢見ていたゴードンにとっては食っていける職にありつけただけアントシアニンの効果で上々の人生である。
「壮観だなあ」
 そんな新米で小市民なゴードンにとって、今回のは初めての大規模な任務であった。実に数千人規模の両騎士団を動員した、戦争でも始めるのではといった事件だからだ。
 ゴードンの前方には整然と先輩兵士が並び、そのさらに前にはエリートの精霊騎士達、そしてそのさらに前、先頭にはー
(あれが『三勇』)亜鉛 の サプリ
 我らが王国騎士団団長フレイヤ、教会騎士団団長ガブリエル、そして聖騎士レオンハルトの姿があった。
 ちなみに三勇とは『三人の勇士』の略である。かつては『二将、一勇』や『三英傑』など色々と呼び方を模索したらしいが、一番語呂がよく呼びやすい『三勇』に落ち着いたらしい。やはり語呂は大事だ。
 ゴードンのような下っ端ではレオンハルトはおろか、フレイヤですらお目にかかる機会は滅多にない。
 それが3人揃い踏みなのには当然理由がある。王都周辺で野良精霊の大量発生という異常事態が起こったからだ。それも複数箇所同時にである。
 亜鉛の効果それなのに何故ここにこんなに戦力が集中しているのか?
 単純に考えれば分隊を大量に分け、各地に派遣すべきと考えるだろう。そして実際に別働隊は存在している。しかし彼らの仕事は精霊の駆除ではなく、住民の避難と精霊の追い込みである。
 今回あまりにも精霊の量が多く、また倒しにくい相手であった。熊型が大量発生したのだ。
 そのため一箇所一箇所殲滅して回るには時間がかかり過ぎた。そこで考えられた案が追い込み漁である。
 幸いなことに大量発生している場所は王都周辺と限られていた。そのため大量発生が起こった一番外側を円の端にしてぐるりと騎士達で囲み、そのまま精霊達をこの何もないだだっぴろい荒野へと追い込み、そこで待ち受けて一網打尽にしようということになったのである。サプリメント マカちなみにこの作戦の発案者はガブリエルである。ゴードンは今まで知らなかったが、彼は知将として国内外で有名らしい。
 その時、上空からひらひらと何かが舞い降りてきた。それは2匹の守護精霊だ。
 1匹は黒い羽に銀色の模様の映える美しい蝶。そしてもう1匹は黒く艶やかな装甲をして鋭いツノをもつノコギリクワガタだった。
 その二匹は諜報にでも出されていたのか前方の三勇の元へと飛んで行く。
「お、三勇様の守護精霊だな」
 その時前に並んでいた先輩がつぶやいた。
「確か、団長様のでしたっけ?」
 それにゴードンは声をかける。先輩は目線だけで振り返ると「当たりだ」と笑った。
 ゴードンは当たったことが嬉しくてへへっと笑う。噂で両騎士団団長はお互いが同じ虫型の守護精霊であることが気に食わなくて仲が悪いのだと聞いたことがあったのだ。
「両団長様のだな。おそらく追い込みの調子を確認していたんだろう」
 先輩マカ サプリの言葉を肯定するように、仕入れてきた情報を主へ伝えようと精霊達はそれぞれの騎士団長へと近付いて行った。
 蝶はガブリエルの方へと進み、その姿を美しい鉄扇へと変えた。
 クワガタはフレイヤの方へと進み、その姿をいかついチェーンソーへと変えた。
「ぎゃっ」
 逆だろ!と叫びかけてすんでのところで堪える。しかし、
「いや、逆だろ!!」
 口を手で押さえるゴードンの背後から声が聞こえた。振り返るとそこには指差して叫んでしまったと思しき同僚の姿があった。彼は先輩に頭を引っ叩かれ、逆にゴードンはこらえたことを褒めるように先輩に頭を撫でられた。
(あとであいつに声かけに行こ)
 友達になれる気がする。
「ぼさっとするな、来るぞ」
 他の先輩が促す。それとほぼ同時に地響きのようなものが始まり、そして姿を現した。
 大量の熊型の野良精霊である。
 そのあまりの多さに、みんなわずかに怯んだようだった。しかし、
 ごうっ、と風の燃える音がした。
 レオンハルトだ。
 彼が巨大な剣を一振りすると、そこから炎を纏った斬撃が放たれ、それは徐々に範囲を広げながら熊達を焼き切った。あまりの高温ゆえに、おそらく斬撃dhaに触れた場所が蒸発したのだ。
 胸から上を失った熊達が無惨に倒れ伏す。
(すげぇ……)
 なんと彼はその一振りでたどり着いた第一陣をすべて焼き払ってしまった。
 まさに一騎当千。
(これが、聖騎士)
 これが最強の精霊騎士か、と感嘆すると同時に畏怖の念が湧く。
 味方ならこんなにも心強いが、もしも敵対することがあればと思うと冷や水を浴びせられたように体が一気に冷たくなり震える。
「聞け」
 その時声が響いた。ゴードンは弾かれたように顔を上げる。
「これは皆のための戦いである。家族や友、そして愛すべき国民を危機に晒してはいけない」
 けして叫んでいるわけでないのに、大きくよく通るレオンハルトの声が響く。
 その言葉にゴードンははっ、と我に返る思いがした。そうだ、守りに来たのだ。自分の想像に怯えている場合ではない。
「皆の者、俺に続け。必ず勝利を掴み取るぞ」
 オオオォォォッ!と雄叫びが上がった。ゴードンはもう、畏怖にとらわれてはいなかった。
 陽の光に照らされて、英雄の藍色の髪がきらりとひらめく。その横顔は凛々しく、金色の瞳は未来を見据えている。
 勝利という未来を。
 そう信じるには充分過ぎて、ゴードンは胸を熱くした。
 そう、ゴードン達はこの手で必ず国民を守るのだ。
アントシアニンの効果亜鉛の効果亜鉛の効果アントシアニン

 記者達がすポリ ペプチド

 記者達がすし詰め状態になりながらも、その姿を絵と文字に写すために必死にアントシアニン筆を走らせてゴーヤ チャンプルーいた。その中心にいるのはオルタンシア教皇聖下とレオンハルトである。
 ここは中央教会の中庭である。ミモザはその光景を教会の回廊の柱の陰からこっそりと覗いていた。

 あの時、決着は一瞬でついた。クロム
 ロランの雷とレオンハルトの炎のぶつかった光が収まると、そこに立っているのはレオンハルトであった。
「うぐぅ……」
 ロランは苦しげにうめきながら、しかしまだ抗おうとなんとか手で地面をつかみ、膝を立てる。
「やめておけ」
 レオンハルトはそんな彼に近づくとその首筋へと刃を突きつけた。
「そのていたらくでは抵抗するだけ無駄だ。貴方には色々と聞きたいことがある。ご同行願クロムの効能おう」
 その瞬間、ロランはニヤリと笑い自分の胸元へと手を伸ばし、ーーその手をレオンハルトに蹴りつけられて仰向けに転がった。
 すかさずそれ以上動けないようにレオンハルトがロランのことを押さえ、胸元を探る。
「レオン様」
「どうやら自爆装置のようだな。小規模だが爆発物が仕掛けられている」
 息を呑む。すぐにレオンハルトはその装置の動力と思しき魔導石を取り除き、ロランを昏倒させた。
「よくやった、ミモザ。謎の多い保護研究会の一員を捕獲できたのは大きな収穫だ」
「死傷者はその方を除けば0名です」
「素晴らしい」
 レオンハルトが立ち上がる。褒めるようにミモザの肩を叩いた。ミモザゴーヤ チャンプルーは先ほどまで背にかばっていた3人を振り返る。3人とも惚けたような、本当に終わったのか疑うような表情で立っていた。
 ミモザも同じ気分だった。

 そして本日、いろいろな事について世間への報告が一通り済み、後始末が終わったあとで会談が行われることになった。
 一体誰と誰の会談か。答えは簡単だ。
 教皇聖下ならびにレオンハルトと被害者遺族の会の代表との会談である。
 今はその前座として、彼らはレオンハルトの用意した『ある物』を見に来ていた。
「これは……」
 その『ある物』を見て、ジェーンはそれ以上何も言えずに立ち止まる。
 レオンハルトは風を切って歩くと、その『ある物』の目の前でかしずいた。
 それは慰霊碑だった。巨大な白い大理石が天高く伸び、そこには細かく何事かが刻まれている。よくよく見るとそれは人の名前のようだった。数えきれないほどの数の人の名前が刻まれ、そして少しの空白クロムの効能の後、その勇敢さを讃えると共に安らかな眠りを祈る言葉でその文字列は締め括られていた。
 塔の試練で命を落とした者たちの名前が刻まれているのだ。
 レオンハルトは慰霊碑へと向かい何事かを静かに伝え、そして手に持っていた白百合の花束をそこへ丁寧に供えた。
 そうして立ち上がるとジェーンを振り返る。
「どうかジェーン様もこちらへ。…手を合わせていただけませんか」
「これは……、これは、どういう……」
「申し訳ありません」
 神妙な顔でレオンハルトは謝罪した。
「彼らは俺の救えなかった方々です。魂を鎮めるために、そして俺の力不足を忘れないために、名を刻ませていただきました」
 力無く首を横に振る。
「彼らは本当なら、今頃俺たちの同僚となっていたはずの勇敢な騎士達です」
 その言葉にジェーンは、ハッと顔を上げた。レオンハルトの方を見ると、彼は悔しげな表情を隠すようにうつむく。
「彼らの死を、悔しく思います。もちろんエリザさん、……貴方の娘さんの死も」
「ああ……っ!」
 ぼろぼろとジェーンは涙を流した。その口は小さく動き、「エリザ、エリザ」と娘の名を呼んでいるゴーヤ チャンプルーのがわかる。その泣き崩れる背中をレオンハルトは無言で支えた。
 長い時がかかり、やっとジェーンは顔を上げた。その目は真っ赤に腫れている。その間ずっと急かすこともなく背を支えていたレオンハルトに手を取ってもらい、彼女はやっとのことでその慰霊碑の前へとたどり着いた。そのままゆっくりとうずくまるようにこうべを垂れる。その手は合わされ、祈りを捧げていた。
「ありがとうございます、レオンハルト様」
 やがて、ぽつりと声が落とされた。
「ありがとうございます。ありがとう、ごめんなさい、ごめんなさい……」
 再び泣き崩れるジェーンのことを、報道陣からかばうようにレオンハルトが肩を支え、教会の中へと導いた。
 その様子をしっかりと記者達は絵に描き、文字に起こしているようだった。

「たいしたパフォーマンスだね」
 ふいにミモザに話しかけてくる声があった。振り返った先にいたのは新緑の髪に深い森の緑の瞳を持つ青年、マシューだった。
「ええと…」
「マシューだよ」
「マシュー様」
 ミモザのそんな様子に諦めたようにため息をつき、「別にいいけどね、緊急事態だったし、僕は裏方だし?」とマシューはぶちぶちと言う。
 一通り愚痴って満足したのか、こちらを真っ直ぐに見つめると、彼は頭を下げた。
「申し訳なかった」
「あの…?」
「やり方についての指摘はごもマカっともだった。あれは最低な行為だ。今後はもうしない」
「してもいいですよ、別に。言ったでしょう、僕も悪いことをする人間です」
「しない。もうそう決めたんだ」
 何かを切り捨てたような顔で彼は言った。何かを失ったようなのに、その表情はどこか清々しい。
「でも塔の運用に関しては、もっと改良できると思ってる。だからこれからも活動はするよ。今度は正攻法で、もっと視野を広げた現実的な案を模索する」
「……はぁ」
 正直それを自分に言われても、とミモザは困る。眉を寄せるミモザのことをマシューは軽く睨んだ。
「でもまぁ、あんたも大概酷かったから、お互い様だとは思ってるよ」
「そうですか」
 はぁ、とマシューはため息をついた。
「あんた、つくづく俺に興味ないのな。まぁいいや」
 じゃあな、とマシューは踵を返す。ジェーンの元に向かうのだろう。彼は作戦参謀のはずだ。
 ああ、と言い忘れたことがあることに気がついて、ミモザは「マシュー様!」と呼び止めた。
「パフォーマンスじゃありませんよ」
「え?」
「さっきの」
 慰霊碑を示してみせる。
「あれは儀式です。ご家族の死に向き合うための」
 本当にあれで向き合えたかどうかは知らないが、それなりに効果のありそうな反応ではあった。
 マシューはミモザの言葉にわずかに目を見張ると、「そうかよ」と頷いた。
「なら、俺もあとで拝んでやってもいいかもな」
「ぜひ、どうぞ」
 ミモザは微笑んだ。
「他の仲間の方々もぜひ、ご一緒にお越しください」
 教会の中庭にある慰霊碑だ。訪れるだけで自然と交流が生まれるだマカろう。
 人は『顔見知り』には優しくなるものである。
 これは教会と被害者遺族の会が『なあなあな関係』になる足がかりになるだろう。

「なに?」
 その報告にレオンハルトは不機嫌そうに眉をしかめた。報告に来た騎士はびくりと身を震わせる。
「それは確かなのですか?」
「は、はい!」
 オルタンシア教皇の問いかけに、彼は頷く。
「今朝未明、保護研究会過激派の幹部を名乗る老人の姿が、牢の中から忽然と消えました。おそらく……」
 騎士は緊張と畏怖でひりつく口内を少しでも潤すように唾を一つ飲み込んだ。
「脱獄したものと思われます」
 その瞬間放たれたレオンハルトの威圧感と怒気に、年若い騎士は失神してしまいたいと切に願った。
dhaクロムの効能dhaアントシアニンの効果

「それで? クロム

「それで? どうだったの?」
 尋ねるフレイヤに騎士は首を横に振っゴーヤた。そこは教会のオルタンシア教皇の執務室だった。やはり前回集まっアントシアニンた時同様、オルタンシア、レオンハルト、ガブリエル、フレイヤ、そしてミモザが集まっている。そこに直接ステラの元へと強制執行に行った騎士が報告に訪れていた。
 彼は淡々と告げる。
「ラブドロップは見アントシアニンの効果つかりませんでした」
それにフレイヤは盛大に顔をしかめた。
「なぜ……っ!」
「わかりません。けれど、彼女自身に隠蔽工作をするほどの賢しさはないように見えました。もしも隠したとしたら、それは……」
 そこで彼は気まずそうにちらり、と近くに立つレオンハルトのことを見る。
「聖騎士殿の弟ぎみのほうかと」
「そうか」
 レオンハルトは淡々と頷く。
「アベルのことは亜鉛の効果俺の弟だからと遠慮するようなことは不要だ。君達の任務をしっかりと遂行してくれ」
「無論です。例えどなたのご身内であろうと我々が手を抜くことはありえません」
 むっとしたように騎士はそう告げた後、フレイヤの方へと再び向き直る。
「アベル殿が外から戻られたご様子でしたので、もしかしたらこちらの動きを察して処分したのかと一応宿の他の部屋や周辺のごみ収集場なども探ったのですが、見つからず……。ひとまずはジーン殿とマシュー殿を取り急ぎ保護させていただき、今は病院で静養してもらっています。医師の見立てでは数日のうちに薬は抜けていdhaくだろうとのことです」
「………気に食わないわね」
 フレイヤはドスの効いた声で吐き捨てる。
「状況証拠はこの上もなく彼女が黒だと示しているのに捕らえることができないだなんて……っ」
「まぁ、物的証拠か現行犯でもない限り逮捕は難しいですからね」
 オルタンシアはそんな彼女を宥めるようにそう言った。
「魔薬は尿検査や血液検査でも検出は困難ですし……、今回は仕方がないでしょう」
「犯罪者を野放しにするなど、我が騎士団の威信に関わります! ただでさえ、わたくしの弟子に手を出すなんてっ。こちらをこけにするにもほどがある……っ」
「そうは言っても仕方ねぇだろ。まぁ、今回逮捕できなかった容疑者はそこそこいるが、少なくとも元凶は捕らえた。もうあの薬が供給されることはねぇ。亜鉛今回の件はこれで終いだ」
 いきり立つフレイヤにガブリエルが冷静に告げる。それに歯噛みしつつもこれ以上はどうしようもないことも理解している彼女はそれ以上の言葉を控えた。
 フレイヤが落ち着いたのを見てとって、オルタンシアは皆の注目を促すように手を数回叩いて見せる。
「今回は残念な結果でしたが、決して我々は犯罪者に屈したわけではありません。現に密売人は捕らえ、事件の収束には成功いたしました。残りの購入者についても目星はついているのです。これは犯罪者予備軍をピックアップ出来たと言ってもいい。一度誘惑に負けた者はまた違う形で誤ちを犯す可能性が高い。その時には、彼らに二度目はないということを思い知らせてあげましょう」
 彼のすみれ色の瞳がうっすらと微笑む。そこに映るのは慈悲ではなく断罪の光だ。
「この国に住む人々の平和と安寧のために」
 最後に彼は祈るようにそう言った。

 そこは病室だった。看護師や医師は突然ゴーヤ チャンプルー降って湧いた大量の精神汚染の患者達の対応に追われて慌ただしく走り回っていた。
 その廊下を美しい女性が肩で風を切って歩いていた。彼女は銀色の髪を風に流し、銀色の瞳に決意をみなぎらせている。
 そんなフレイヤの後ろをちょこちょこと物見遊山気分でミモザはついて歩いていた。
 とはいえ別に遊びに来たわけではない。手にはちゃんと果物を持っている。前回ミモザが怪我した際はジーンに迷惑をかけたので、そのお礼とお返しを兼ねたお見舞いに来たのである。
 フレイヤは目当ての病室を探し当てると勢いよくその扉を開けた。
「ジーン!! わたくしの不肖の弟子!! なんであんな怪しい奴からの飴なんて口にしたの!!」
 開口一番叱責である。
 まぁ、フレイヤの心労を思えば無理からぬことかも知れないが、被害者であるジーンには少々酷な話だ。
 彼らは二人部屋にいた。身体的には異常がないからだろう、それぞれのベッドに腰掛けてマシューとジーンは何かを話しているところだったようだ。
 怒れる師匠の登場にジーンは素早く立ち上がりピーンと背筋を伸ばして直立すdha epaると「大変申し訳ありませんでした!!」と綺麗なお辞儀をかました。
 きっちりと分度器で測ったかのような90度のお辞儀である。
(体育会系……)
 人のことは言えないが、ミモザはそれを見てしみじみと思った。
 見るからに文化系のマシューなどその光景を見て若干引いている。
「その、まさか魔薬が入っているとは……。先日のお詫びだと渡されまして……」
「おおかた可愛い女の子から渡されたからって受け取ったんでしょう! 情けないわ!!」
「も、申し訳ありません!」
 師弟のやり取りを尻目にミモザはすすす、とマシューへと近づくとジーン宛の果物は勝手にジーンのベットサイドへと置き、マシュー宛の果物を彼に差し出した。
「ちなみにマシュー様はどうして食べたんですか?」
「………、あんな子だとは知らなかったんだよ。ちょっと極端な所があるとは思ってたけど……」
 そこまで言ってじろりとマシューはミモザを睨む。
「あんたのお姉さんだと言うのも一応理由としてはあったよ」
 それにおや、とミモザは首をひねる。
「マシュー様、僕が突然なんの理由もなく飴をあげたら食べるんですか?」
「…………」
 マシューは差し出された果物を受け取ろうとした手をぴたり、と止めてしばし悩んだ。
「いや、うん、そうだな……。あんたからのは……、悩ましいな。お見舞いであれば受け取るけど、なんの理由もなしマカか……」
「まぁ、あげませんからそんな真剣に悩まないでください」
「あんたはそういう所だよ」
 じろりと再び睨むとマシューはふん、と鼻を鳴らして果物を受け取った。
「まぁ、あんたは利口だからこんな目撃者の多い所で毒殺はしないだろう。こっそり渡されたら受け取らない!」
「はぁ……」
 まぁ、確かにこんなに目立つ場所で白昼堂々毒殺はしないだろう。
 そのまま二人はしばしフレイヤ師弟の叱責と謝罪が終わるのを待ったが、二人は全く終わる気配を見せない。
(帰ろうかな……)
 時間を持て余してジーンへの挨拶はまた今度にするかと諦めかけたところで、「なぁ」とマシューが声をかけてきた。
「あんたの姉ってなんか妄想癖でもある?」
「なぜですか?」
 突然の質問に驚く。正直思い込みは激しいが、と思いつつミモザは尋ねた。するとマシューは少し難しい顔をして頭を掻く。
「いや、なんかこれから起こることがわかるとか、自分は人生をやり直してるとか言っててさ」
「………っ」
 ヒュッと呼吸が鋭い音を立てた。言葉が出ない。
 そんなミモザの様子には気づかずにマシューは愚痴るように続ける。
「なんか前回が前回がってずっと言っててさ。俺たちは前回も仲が良かったとか、女神様にお願いしたからやり直せたとか……、薬が効いてる時は可愛いと思って聞いてたけど、今思い返すと結構ヤバいこと言ってたよ」
「そ、そうですか……」
 ミモザにはそう返すのがやっとだった。
サプリメント マカゴーヤ チャンプルー亜鉛 サプリポリ ペプチド

 木陰からその手はマカ サプリ

 木陰からそマカ と はの手は伸びていた。大きくふしだクロムった男の指先が『それ』とミモザの手にするモーニングスターメイス、チロのことを示す。
 チロからは黒い塵のような魔力のオーラが漏れ出ていた。
 慌てて背中にチロのことを隠すが、男のポリ ペプチドセリフからも、もう遅いのは明白だ。
 声とともに影から姿を現したのは引き締まった体に教会に属する精霊騎士であることを示す白い軍服を身にまとった美丈夫だった。
 夜空のように深い藍色の髪は豊かに脈打ちリボンで一つに束ねられて背中を流れ、その長い前髪で右目は隠されているものの黄金色の左目がこちらを眼光鋭く見据えていた。
 彼の背後にはミモザの背丈ほどdhaもある翼の生えた大きな黄金の獅子が同じくこちらを睥睨している。
 その王者然とした堂々たる体躯の男にミモザは見覚えがあった。
(嘘だろ)
 心中でうめく。
 彼の名はレオンハルト。
 いじめっ子のアベルの腹違いの兄であり、この国最強の精霊騎士である『聖騎士』の称号を冠する最強の男であった。

 『狂化個体』は取り締まりの対象である。
 その多くは欲望に理性を飲まれてしまい何をするかわからないからだ。
 実際、ゲームの中のミモザとチロも最初はささやかな嫌がらせをする程度だったのが段々とヒートアップしていき、最後の方はかなり直接的に主人公亜鉛の効果達に危害を加えようとしていた。
 ミモザは後退る。
「いや、これは……っ」
 なんとか言い訳を捻り出し逃げ道を探そうとして、不意にその体が発火するような熱につつまれ、息が詰まって二の句が告げなくなった。
「……はっ」
 呼吸が荒くなる。動悸がする。
 一瞬レオンハルトが何かをしたのかと疑ったが、すぐに違うことに気がついた。
「チゥーー」
 チロが低く唸る。
 チロが身に纏った黒い塵のようなオーラが、チロを握る手を伝い、ミモザの身体も飲み込もうとしていた。
「……あっ、」
 体が勝手に臨戦態勢をとる。チロに引っ張られるようにその切先をレオンハルトへと向けた。
 彼にもミモザの状況がわかったのだろう。側に控えていた黄金の翼獅子に手をのばしゴーヤ チャンプルー、その姿を身の丈ほどの見事な刃ぶりの剣へと変じさせる。
(待て……っ!)
 心で命じるのに体が言うことを聞かない。いや、違う、あれは敵だ。
 自分達を拘束しに来た敵だ、と頭が警鐘を鳴らす。
「チチッ」 
 バレたからには殺すしかない、とチロが囁いた。
マカ サプリdha epa

 周囲は喧騒に包まアントシアニンの効果

 周囲は喧騒に包まれていた。まだ日が高い時刻のためクロム人の往来も激しい。故郷の村では決して見ることのできない亜鉛 サプリ賑やかで華やかな街の様子をステラは店主が店の奥から出てくるまでの時間を潰すために眺めていた。ふと自身の手が目に入る。右手の甲に浮かぶ花のような紋様のその花弁のうちの一枚が金色に輝くのを見てマカ と はステラはふふふ、と満足そうに笑う。
「お嬢ちゃん、計算が終わったよ」
 年配の店主がゆっくりと店の奥から出てくるとカウンターへ腰掛けた。彼は老眼鏡の位置を直しながら伝票と現金を弄る。
「全部でこのくらいの価格で買い取れるけどもね」
「わぁ!ありがとうございます!」
 なかなかの価格にステラは目を輝かせる。ステラの精霊騎士を目指す旅は順調に進んでいた。第1の塔では金の鍵を簡単に見つけられ亜鉛の効果たし、野良精霊を倒すのも手間はかかるがそんなに難しくはない。初めは路銀稼ぎに苦労すると噂では聞いていたが、これだけ稼げるなら余裕で王都で過ごすことができる。
(ミモザは銅だったわね)
 卒業試合では遅れをとってしまったが、しかしミモザはミモザだ。やはりステラよりも劣っている。
(どうしてレオンハルト様はミモザを側におかれるのかしら)
 ステラの方が何においても優っているというのに。もしかしたら優しいレオンハルトはだからこそ妹に肩入れしているのかも知れなかった。いじめを受けて祝福も1番下のものしか受けることができない。確かに同情するには十分ポリ ペプチドかも知れない。
 上機嫌でお金を受け取ろうとして、店主はしかしそれを手で覆って渡すことを拒んだ。
「………? 店主さん?」
「これは一日で取ったのかい?」
 店主はじっとステラを探るように目を見つめてきた。それに首を傾げてステラは頷く。
「ええ、そう……」
「ステラっ!!」
 そこで息を切らしてアベルが駆けつけた。物資の買い出しの途中でステラだけ抜けてきたので心配していたのだろう。彼は必死の形相だ。ステラと店主の手元を見て、アベルは顔を真っ青に染めた。
「これは子どもの時から集めてた奴も混ざってるんだ!ガキの頃は換金なんてできなかったから!」
 そうして意味のわからないことを言う。ステラは首を傾げてアベルの言葉を訂正しようと口を開きーー、その口をアベルの手で塞がれた。
「………。まぁ、いマカ と はいがね、厳密に一日に何匹狩ったかなんてのを取り締まるのはどだい無理な話なんだ」
 そう言ってため息をつくと店主は金をアベルへと渡した。
「けどねぇ、お嬢ちゃんら、やりすぎはいかんよ。多少は見逃されるけどね、あんまりにも度が過ぎりゃあ絶対に取り締まられる」
 ちろり、と店主の灰色の目が鋭くステラの目を射抜いた。
「密猟ってやつはね、加減を知らんといけんよ」
「………肝に銘じておきます」
 ステラの開きかけた口をまた手で押さえて、アベルは神妙な顔でそう言った。
「行くぞ」
 そのままステラの手を強引に取って歩き始める。その歩く速度の速さにステラは戸惑う。
「アベル、ねぇ、アベル!」
「1人で動くなって言っただろうがっ」
 怒鳴って、アベルはステラの手を離した。そのまま2人は橋の上で立ち止まる。無言の中で川のせせらぎだけが鳴っている。
 振り返らないアベルの背中は震えていた。
「アベル……?」
「わりぃ……、怒鳴るつもりはなかったんだ」
 アベルはゆっくりと振り返った。金色のゴーヤ チャンプルー瞳が、真っ直ぐにステラを見つめる。
「なぁ、ああいうことはやめよう」
「ああいうことって?」
「密猟だよ。一日に20匹以上狩るのはやめよう」
 ステラは首を傾げる。アベルが何故辛そうなのか、その理由がわからなかった。
「どうして?」
「法律違反だからだ。ミモザも言ってただろ。今回は見逃してくれたが、頻繁に繰り返すとまずい」
 ステラは表情を曇らせた。
「……アベルはミモザの味方なの?」
「お前の味方だよ!だから言ってるんだ!!」
 眉を顰める。ステラの味方なのにステラの行動を止める理由がわからない。
「でも、20匹以上狩ってもわたしは大丈夫なのよ。怪我もしないわ。そんな制限なんてなんの意味があるというの?」
「理由なんかどうだっていい!問題なのはそれが犯罪だってことだ!」
「アベル……」
「なぁ、ステラ、わかってくれ。俺はお前が大事なんだ。傷ついてほしくない」
「……わかったわ」
 本当はわからない。けれどアベルがあまりにも辛そうで、ステラはそう言っていた。
「ステラ……っ」
 アベルが安心したように破顔してステラを抱きしめる。
「ごめんね、アベル。アベルの嫌がdhaることをして」
「いいよ! いいさ、わかってくれれば!」
 ぎゅうぎゅうとアベルに抱きしめられながら、ステラは思う。
(アベルが気づかないようにしないと……)
 知られるたびにこうもうるさく言われては面倒だった。

 かたん、と軽い音を立てて扉を開ける。
「ああ、ミモザ。帰っていたのか」
「レオン様っ!?」
 部屋から出た途端にかけられた声にミモザは飛び上がった。
 彼もちょうど帰ってきた所だったのだろう。自室の扉を開けて入ろうとした時にミモザが隣の部屋から出てきて鉢合わせたらしい。
「なにをそんなに驚くことがある」
 彼はそんなミモザの反応に憮然とした。
「いや、急に声をかけられたもので……」
 ついでに言えば考えごとをしていたせいでもある。
 ステラのことだ。
 姉のあの行為をレオンハルトに相談するかどうかを悩んでいたら、急に声をかけられて飛び上がってしまったのである。
(どうしようかな……)
 軍警に届け出るというのは選択肢には最初からない。なにせ本人の自白以外に証拠のないことであるし、積極的にステラを追い込む気にはなれないのだ。
(覚悟が甘いな、僕も。……奪うと決めたのに良い人ぶりたいのか?)
 しかしミモザはステラから聖騎士の座をぶんどる覚悟はしていても、ステラから社会的な立場を奪う覚悟はしていなかったのだ。元々はせいぜいが悔しがって地サプリメント マカ団駄を踏んで欲しかっただけである。笑えるほどに甘っちょろい報復を目論んでいたのだ。
 しかし見捨てると決めたからには、ミモザも覚悟を決めなくてはならないのだろう。
 例えステラがどうなっても、見捨て続ける覚悟を。
「ミモザ?どうした?」
 黙り込むミモザに不審そうにレオンハルトが問いかけた。それに一瞬逡巡し、
「なんでもありません。第1の塔の攻略をしてきました」
 結局ミモザは黙ることを選択した。
 しかしこれはステラに温情をかけたのではない。むしろ逆だ。
(落ちるなら、とことん勝手に落ちていってくれ)
 今ここでステラの罪状を食い止めてあげる義理はミモザにはないのだ。
 ステラの行為に目をつむる。
 それがミモザなりの、『ステラを貶めたい』という自分が抱く悪意に対する礼儀であり、言い訳の許されない悪人になるという覚悟だった。
dhaクロム亜鉛 サプリクロムの効能