第4の塔の中身は見渡す限りの草原だった。ところどころに亜鉛沼地があるものの遮蔽物が何もないだだっ亜鉛 サプリ広い空間の真ん中で、彼らは身を寄せ合って座っていた。それぞれめいめいに『試練の塔閉鎖!』や『これ以上の犠牲者を増やすな!』と書かれた看板やのぼりをマカ と は手に掲げている。
(どうしたものか)
その集団の中にあって、マシューは頭を悩ませていた。このような事態はまるっきり彼の想定にはなかったからだ。
彼の若草色の髪が風に流れる。深い森のような緑の瞳は冷静に周囲を見回した。そばかすと丸顔のせいで若く見られるがマシューは15歳の成人済みの青年である。この中では若造の部亜鉛類に入るが事情もよくわからず連れてこられた子ども達よりは大人だ。こうなってしまった以上、マシューには子ども達を守る責任がある。
「塔の開放はんたーい!安全のために閉鎖しろー!」
その時1人の老人が声を張り上げた。何が楽しいのかその顔には満面の笑みを浮かべている。
思わず舌打ちをする。
(あいつさえいなければ……)
あの男、ロランが今回の立てこもりの首謀者だ。マシューは反対したが、先日の失策のせいで聞き入れられなかった。だとしてもこのような強行策をみんなが支持するとは亜鉛、マシューが思っているよりも改革がうまくいかないフラストレーションが溜まっていたらしい。
マシューの推測ではあの老人はおそらく保護研究会の過激派だ。そうでなければ今回の行動を推し進める説明がつかない。この立てこもり行為はあまりにも割が合わなさすぎる。利益を出すためには、そう、例えばここで人が死ねば人々の非難は教会に向くかも知れなかった。彼はマシュー達被害者遺族の会を捨て駒にするつもりなのだ。
(くそっ、どうしたら)
しかし今それを仲間に伝えたところで通じないだろう。そもそもこの作戦の無益さはとうに訴えた後である。マシューには先導者やリーダーとしての才がない。あくまクロムの効能で裏方で策を練るのみで人の上に立つことが難しいのだ。
(だからこそ、彼女に)
ちらり、と人の輪の中心部を見る。そこにはジェーンが背筋を伸ばして座っていた。
(彼女には人を惹きつける力がある)
マシューにはないものだ。マシューはジェーンにリーダーになって欲しかった。
マシューは自身の守護精霊である白い毛をした子猿、キースを見た。
(いざとなったら俺が盾になる。みんなを生きて返す)
できることならそんな事態は考えたくもなかった。
一体何時間が経っただろう。あらかじめ用意していた水筒の水は尽きてしまった。それまでは何もいなかった草原にはちらほらと馬型の野良精霊の姿が見え始めていた。彼らはまだこちらの様子を伺っているが、襲って来るのは時間の問題だろう。最初は威勢の良かった仲間達も、その数が2亜鉛の効果0を超えたあたりで恐怖のほうが勝ってきてしまっている。
「お、お兄ちゃんっ」
「大丈夫。大丈夫だからな。俺のそばを離れるなよ」
子ども達がしがみついてくるのを抱き返す。
「なーにをびびっとる!これはぁ!我々の家族のため!これ以上の犠牲者を出さないための勇気ある行動である!!」
元気なのはロランだけだ。
「おい、大声を出すなっ、下手に刺激をしたら……」
襲って来るぞ、と言い切る前に、馬のいななく声がした。
「き、キース!」
マシューの声に反応してキースは防御形態の盾となりその突進を防ぐ。しかし相手は一頭だけではないのだ。次々と襲いくる野良精霊に、キースは防戦一方だ。
「み、みんな!早く!今のうちに避難を!!もういいだろう!」
「で、でも……」
迷うように、けれど挑むこともできずに立ちすくむ仲間に、マシューは怒鳴る。
「もう充分に抗議の姿勢は見せた!これで俺たちが本気だと教会にも国にも伝わっただろう!成果はあげた!撤退だ!」
その必死の叫びにはっとした顔になり移動を始めたところで、
「ならぬ!!」
ロランが立ち塞がった。白髪を振り乱し、手には槍ゴーヤを持っている。
「我らが同胞よ!まさか臆病風に吹かれて逃げる気ではあるまいな!そんなことでどうする!家族は!大切な家族を二度も見捨てる気か!!」
その一喝に立ちすくむ。ロランはここから先は一歩も通さんという態度で仁王立ちをしていた。
「……っ!逃げろ!」
その時キースの盾をすり抜けた1匹がジェーンの下へと向かった。彼女は驚いたように身を引き、しかしそれ以上は動けずに、
「ジェーンさん!」
「これは大いなる一歩である!!」
マシューの叫びとロランの高笑が重なった。
ーーと、がこん、と妙な鈍い音がした。
呆然と見つめるマシューの目の前で、その馬の首は跳ね飛ばされた。
血飛沫が舞う。そんな悪夢のような光景の中で、場違いに美しい少女が立っていた。
「どうやら間に合ったみたいですね」
涼やかな声がする。金色の髪が風になびき、その深海のような瞳がマシューのことを見た。
「すみません、遅くなりました」
まるで待ち合わせに遅れた報告のように、呼ばれていないはずの彼女はそう言った。
そこで初めてマシューは彼女の持つ巨大なメイスが馬の首をへし折ったのだと理解した。
。アントシアニン亜鉛の効果ゴーヤ
「さて、それマカ サプリ
「さて、それは困るのぅ」
黙り込んクロムだ面々の中、唯一ずっと笑みを消さなかった老人が口を開いた。ロランだ。彼は鈍色の亜鉛 サプリ目をギラギラと興奮に光らせていた。先ほどまでは老人らしく腰を曲げていたにも関わらず、今は真っ直ぐとその背すじを伸ばし、かくしゃくとした雰囲気を出している。
「教会からの使者としてお主らのような小娘と小僧が来た時は放っておけば誰か死ぬかと思ったが、思ゴーヤ チャンプルーいの外やるようだ。それは困る、困るのぅ」
身の丈を遥かに超えた長い槍を彼は構えた。
「まぁわしは誰が死んでしまってもかまわん。全員死んでもらってもなぁ」
「……っ!気をつけろ!そいつは保護研究会の過激派だ!!」
マシューが叫ぶ。瞬間、雷鳴が轟いた。
「……っ」
ミモザはすぐさま防御形態でそれを防いだ。チロの半球状の盾をつたって落雷は地面へと流れる。
雷はロランのdha槍の先から放たれていた。
「ジーン様!ジェーン様とええと、なんかそっちの緑の人の避難を!」
「緑の人じゃなくてマシューですけどね!?」
「マシューさん!こっちへ!」
ごちゃごちゃと騒ぎながらも、ミモザは3人を背後へとかばって立ち、ジーンはマシューとジェーンを抱えるようにして後ろへと下がらせた。しかしこの塔の出口はロランの背後である。
ロランはニヤリと笑うと懐から五角形の黒い金属板を印籠のように取り出して見せた。
「なんじゃ、気づかれておったか。ならば名乗ろう。わしは保護研究会、五角形のうちの一角、ロランじゃ。よろしくなぁ」
「……五角形」ポリ ペプチド
ミモザはつぶやく。ロランの持つ五角形の向かって左下には金色の印がつけられていた。確かステラの恋愛対象の中にもそう言った肩書を持った人間がいた気がするが、よく思い出せない。天才キャラだったような気もするが、どうだっただろうか。
「なんじゃ、気になるか?」
「……いえ、貴方みたいなのがあと4人もいるのかと思うとうんざりしただけです」
ミモザは誤魔化す。ロランもさほど気になったわけではないのだろう。槍を構え直した。
「余裕ぶっておるが、内心では焦っておるのではないか?」
「なぜですか?」
ふん、と馬鹿にしたように彼は笑う。
「先程から散々野良精霊からあいつらを庇っていたんだ。もう魔力も限界じゃろう」
「……さぁ、どうでしょう」
魔力とはゲームでいうMPのことだ。通常ゴーヤのRPGよろしくこの世界でもMPが切れれば魔法は使えなくなる。魔法というのは先ほどロランがやってみせたように槍から雷を放ったり、ミモザが普段やっているようにメイスの棘を伸ばしたり衝撃波を放ったりというものだ。平均的なMPの量は150~200といったあたりだ。そしてゲームの中のミモザのMPは150が最大であったと記憶している。
つまり平均の下の方である。
ちなみにステラはすべてのイベントやアイテムを駆使すれば最高で400まで上がる。特に頑張らなくてもストーリーを進めるだけで300までは普通にいく仕様である。
つまり、ミモザの2倍である。
(悲しい……)
レオンハルトのMPなどは記憶にないが、どうせ化け物じみているに決まっている。
これが才能の差か…、と遠い目になっているーー、場合ではない。
また雷鳴が轟く。今度は受け止めることはせず、ぎりぎりまで引きつけてから避けた。先ほどまでミモザが立っていた地面がえぐれ、クレーターのようdha epa dhaに穴が開く。
(当たれば最悪死ぬな)
これ一発でMPをどれほど消費しているのだろうか。魔法によって消費MPは異なるが、これだけ威力があれば10ほどは消費していそうだ。だいたいの魔法の消費MPは5~10くらいのものが多い。稀に30~50ほど消費するものもあるが、それは小さな町を一つ滅ぼすとか、広大な土地に結界を張るとか、大概は道具と準備を必要とするような大規模の魔法だけだ。
とはいえMPは減るばかりではなく時間経過で回復するものである。だいたい起きている時だと20~30分で1ほど回復するのが一般的である。つまりロランは先ほど休憩を挟みながらとはいえ、100匹近くの野良精霊を倒したミモザのMPがそろそろ切れることを見越して、ばかすか魔法を撃ってきているのだろう。ちなみにミモザは一回の攻撃で3~4匹ほどまとめて屠っていたりもしているので厳密にMPをどのくらい消費しているのかを計算で求めるのは至難の業である。
もちろん、相手の最大MPや現在残っているMP量を知る方法は存在する。それは女神の祝福である。最初の塔の攻略により、その能力が手に入るのだ。とはいえ実は祝福には金・銀・銅のランクがあり、それぞれにより見える範囲に違いがある。金であれば相手のレ亜鉛 サプリ おすすめベル、最大MP量、MP残量の全てを見ることができるが、銀ではレベルと最大MP量だけ、といった具合にだ。ちなみに銅だとレベルも大雑把にしかわからないらしい。らしいというのは塔の試練を受けていないミモザには詳細がわからないからだ。でもゲームでは確か最初に難易度の選択が可能で、イージーでは金、ノーマルでは銀、ハードでは銅に最初の試練の塔で与えられる祝福は設定される仕様であった。
そしてゲームの中のミモザは銅であった。
つまり自動的にハードモードのゲームが開始する予定である。今のところ。
(悲しい……)
内心でぼやきながらも次々と襲いくる雷撃を避け続ける。そうしながらメイスをさりげなく地面へと叩きつけた。
「……ちっ」
ロランが舌打ちをして横へと飛ぶ。メイスからの衝撃波が地面を走りロランの足元まで亀裂を生じさせたのだ。その体勢を崩した隙を逃さずミモザは棘を伸ばした。
伸ばした棘がロランの目にささるーーと、思われた直前に彼は胴体をそらせてそれを避ける。棘は残念ながら、彼の目の下あたりを少し引っ掻くだけで終わった。
「小娘が……、狡い真似を」
悔しそうな顔を作った後で、しかし彼は再びニヤッと笑う。
「先ほどから攻撃が単調でみみっちいのう。お主、もしや属性攻撃が使えんのか?」
「はい」
間髪入れずにミモザは頷いた。
属性攻撃というのはロランのしたような雷など特徴的な攻撃のことである。これはゴーヤ チャンプルー大抵の人は1つは属性を持っているものであり、2つ以上あれば天才と呼ばれる部類のものだ。つまり属性攻撃を持たないというのは『落ちこぼれ』ということである。
しかしミモザはそれがどうした、という顔をしてみせる。
(それがどうした!)
ふん、と鼻息荒く胸を逸らして見せた。
「………うん、そうか、なんかすまんかったな」
おそらく挑発しただけのつもりだったのだろう。なんか同情されてしまった。
ちなみに名誉のために言っておくがこれは半分嘘で半分本当だ。
元々ミモザは属性攻撃を持っていなかったが、狂化により一つだけ目覚めた。
しかしそれはあまり強力なものではなかったのである。
「あ、ちょっと本気で悲しくなってきた」
「まぁ、世の中そういうこともあるわい。才能とは無慈悲なものじゃ」
「同情ついでに見逃しませんか」
一応聞いてみた。
「それは無理じゃ」
即答の上で更に雷撃を叩き込まれた。ミモザは避けた。
。ゴーヤ チャンプルーサプリメント マカアントシアニンアントシアニンの効果
周囲は喧騒に包クロムの効能
周囲は喧騒に包まれていた。まだ日が高い時刻のため人の往来も激しい。故郷の村では決しアントシアニンの効果て見ることのできない賑亜鉛やかで華やかな街の様子をステラは店主が店の奥から出てくるまでの時間を潰すために眺めていた。ふと自身の手が目に入る。右手の甲に浮かぶ花のような紋様のその花弁のうちの一枚が金色に輝くのを見てステラはふふふ、と満足そうに笑う。
「お嬢ちクロムの効能ゃん、計算が終わったよ」
年配の店主がゆっくりと店の奥から出てくるとカウンターへ腰掛けた。彼は老眼鏡の位置を直しながら伝票と現金を弄る。
「全部でこのくらいの価格で買い取れるけどもね」
「わぁ!ありがとうございます!」
なかなかの価格にステラは目を輝かせる。ステラの精霊騎士を目指す旅は順調に進んでいた。第1の塔では金の鍵を簡単に見つけられたし、野良精霊を倒すのも手間はか亜鉛の効果かるがそんなに難しくはない。初めは路銀稼ぎに苦労すると噂では聞いていたが、これだけ稼げるなら余裕で王都で過ごすことができる。
(ミモザは銅だったわね)
卒業試合では遅れをとってしまったが、しかしミモザはミモザだ。やはりステラよりも劣っている。
(どうしてレオンハルト様はミモザを側におかれるのかしら)
ステラの方が何においても優っているというのに。もしかしたら優しいレオンハルトはだからこそ妹に肩入れしているのかも知れなかった。いじめを受けて祝福も1番下のものしか受けることができない。確かに同情するには十分かも知れない。
上機嫌でお金を受け取ろうとして、店主はしかしそdha epaれを手で覆って渡すことを拒んだ。
「………? 店主さん?」
「これは一日で取ったのかい?」
店主はじっとステラを探るように目を見つめてきた。それに首を傾げてステラは頷く。
「ええ、そう……」
「ステラっ!!」
そこで息を切らしてアベルが駆けつけた。物資の買い出しの途中でステラだけ抜けてきたので心配していたのだろう。彼は必死の形相だ。ステラと店主の手元を見て、アベルは顔を真っ青に染めた。
「これは子どもの時から集めてた奴も混ざってるんだ!ガキの頃は換金なんてできなかったから!」
そうして意味のわからないことを言う。ステラは首を傾げてアベルの言葉を訂正しようと口を開きーー、その口をアベルの手で塞がれた。
「………。まぁ、いいがね、厳密に一日に何匹マカ と は狩ったかなんてのを取り締まるのはどだい無理な話なんだ」
そう言ってため息をつくと店主は金をアベルへと渡した。
「けどねぇ、お嬢ちゃんら、やりすぎはいかんよ。多少は見逃されるけどね、あんまりにも度が過ぎりゃあ絶対に取り締まられる」
ちろり、と店主の灰色の目が鋭くステラの目を射抜いた。
「密猟ってやつはね、加減を知らんといけんよ」
「………肝に銘じておきます」
ステラの開きかけた口をまた手で押さえて、アベルは神妙な顔でそう言った。
「行くぞ」
そのままステラの手を強引に取って歩き始める。その歩く速度の速さにステラは戸惑う。
「アベル、ねぇ、アベル!」
「1人で動くなって言っただろうがっ」
怒鳴って、アベルはステラの手を離した。そのまま2人は橋の上で立ち止まる。無言の中で川のせせらぎだけが鳴っている。
振り返らないアベルの背中は震えていた。
「アベル……?」
「わりぃ……、怒鳴るつもりはなかったんだ」
アベル亜鉛はゆっくりと振り返った。金色の瞳が、真っ直ぐにステラを見つめる。
「なぁ、ああいうことはやめよう」
「ああいうことって?」
「密猟だよ。一日に20匹以上狩るのはやめよう」
ステラは首を傾げる。アベルが何故辛そうなのか、その理由がわからなかった。
「どうして?」
「法律違反だからだ。ミモザも言ってただろ。今回は見逃してくれたが、頻繁に繰り返すとまずい」
ステラは表情を曇らせた。
「……アベルはミモザの味方なの?」
「お前の味方だよ!だから言ってるんだ!!」
眉を顰める。ステラの味方なのにステラの行動を止める理由がわからない。
「でも、20匹以上狩ってもわたしは大丈夫なのよ。怪我もしないわ。そんな制限なんてなんの意味があるというの?」
「理由なんかどうだっていい!問題なのはそれが犯罪だってことだ!」
「アベル……」
「なぁ、ステラ、わかってくれ。俺はお前が大事なんだ。傷ついてほしくない」
「……わかったわ」
本当はわからない。けれどアベルがあまりにも辛そうで、ステラはそう言っていた。
「ステラ……っ」
アベルが安心したように破顔してステラを抱きしめる。
「ごめんね、ア亜鉛の効果ベル。アベルの嫌がることをして」
「いいよ! いいさ、わかってくれれば!」
ぎゅうぎゅうとアベルに抱きしめられながら、ステラは思う。
(アベルが気づかないようにしないと……)
知られるたびにこうもうるさく言われては面倒だった。
かたん、と軽い音を立てて扉を開ける。
「ああ、ミモザ。帰っていたのか」
「レオン様っ!?」
部屋から出た途端にかけられた声にミモザは飛び上がった。
彼もちょうど帰ってきた所だったのだろう。自室の扉を開けて入ろうとした時にミモザが隣の部屋から出てきて鉢合わせたらしい。
「なにをそんなに驚くことがある」
彼はそんなミモザの反応に憮然とした。
「いや、急に声をかけられたもので……」
ついでに言えば考えごとをしていたせいでもある。
ステラのことだ。
姉のあの行為をレオンハルトに相談するかどうかを悩んでいたら、急に声をかけられて飛び上がってしまったのである。
(どうしようかな……)
軍警に届け出るというのは選択肢には最初からない。なにせ本人の自白以外に証拠のないことであるし、積極的にステラを追い込む気にはなれないのだ。
(覚悟が甘いな、僕も。……奪うと決めたのに良い人ぶりたいのか?)
しかしミモザはステラから聖騎士の座をぶんどる覚悟はしていても、ステラから社会的な立場を奪う覚悟はゴーヤしていなかったのだ。元々はせいぜいが悔しがって地団駄を踏んで欲しかっただけである。笑えるほどに甘っちょろい報復を目論んでいたのだ。
しかし見捨てると決めたからには、ミモザも覚悟を決めなくてはならないのだろう。
例えステラがどうなっても、見捨て続ける覚悟を。
「ミモザ?どうした?」
黙り込むミモザに不審そうにレオンハルトが問いかけた。それに一瞬逡巡し、
「なんでもありません。第1の塔の攻略をしてきました」
結局ミモザは黙ることを選択した。
しかしこれはステラに温情をかけたのではない。むしろ逆だ。
(落ちるなら、とことん勝手に落ちていってくれ)
今ここでステラの罪状を食い止めてあげる義理はミモザにはないのだ。
ステラの行為に目をつむる。
それがミモザなりの、『ステラを貶めたい』という自分が抱く悪意に対する礼儀であり、言い訳の許されない悪人になるという覚悟だった。
。マカ サプリアントシアニンの効果マカ サプリdha epa dha
第4の塔は移動マカ と は
第4の塔は移動スキルの手に入る塔である。移動の魔マカ サプリ法陣をあらかじめ敷いた場所に瞬間移動できマカ サプリるという祝福が手に入るのだ。
ステラは今、その第4の塔に1人で訪れていた。
今日はアベルは別行動で、この間入りそびれた第3の塔に向かっている。ステラは彼と一緒に行動する気になれず、第3の塔亜鉛の効果を飛ばして第4の塔に来たのだった。塔の順番は難易度順になっているため数字通りに攻略するのが本来なら望ましいが、別に順番通りでなくてはならないという規則は存在しない。人混みを嫌ってめちゃくちゃな順番で攻略する人は稀にだがいないわけではない。まぁ、そういう人間はおおむね自分の実力を過信していることが多いので、塔の中で行方不明になったり遺体として帰ってくることも亜鉛 の サプリ多かった。
ステラの右手の甲に、まばゆい光と共に三つ目の金の花弁が収まった。ステラにとっては塔の攻略で命を落とすなど想像もつかないことだ。だってほら、こんなにも順調だ。ステラにとっては塔の攻略などなんの困難もない。
(それなのに……)
それ以外がうまくいかなかった。いや、うまくいかなくなった、の方が正しい。思えば最初のつまづきはレオンハルトに弟子入りを断られたところから始まっていたのかも知れない、とステラは思う。
(どうして……)
ステラは視線を落とす。変わマカったのはステラではない、妹のミモザだ。
ステラは何も変わらない。村にいた時も王都に来てからも。それなのにここ最近は目に見えてステラの周囲の環境は狂い始めていた。
(ミモザのせい……?)
思えばレオンハルトもジーンもアベルも、ミモザが関わった人間がステラに対して冷たくなっている。
ミモザが何かしたのだろうか?
(けど、一体何を……?)
魔導石の件でも今回の薬草の件でも卒業試合でも、ミモザはステラのことを目の敵にしているようだ。嫌がらせとも言えるような行為に走り、そしてそれは功を奏しているように見える。
ジーンに「狂っている」と言われた時、ステラは思わず頭に血が上ってしまった。今にして思えば失礼な言葉ではあるがそこまで逆上するようなことではdha epaないようにも思える。しかしあの時、ステラはジーンがまさかそのようなステラを貶めるようなことを言うはずがないと確信していたのだ。
だからこそ、あるはずがないことが起こったからこそ頭に血が上ってしまったのだった。他にも色々と『起きるはずがないこと』が起き始めていた。それら全てを引き起こしているのがミモザだとしたら。
(でもおかしいわ、ミモザのやることにそこまでの影響力なんてないはずなのに……)
「………?」
そこまで考えて、ステラは自分の思考に首を傾げた。
どうしてそう思うのだろう。
起きるはずがない、ミモザにはそんなことができるはずがないと、どうしてそう確信しているのだろう?
ずきり、と頭が痛んで思わず手を当てて立ち止まる。
「大丈夫ですか?」
「……ええ、ごめんなさい、ちょっと立ちくらみがしただけなの」
かけらdha epa dhaれた声にそう答えて振り返ると、彼は何故か驚愕の表情を浮かべていた。
(何……?)
「み、ミモザ……?」
「え?」
驚くステラに彼は慌てたように両手を振る。
「あー、いやごめん、人違いみたいだ。あんまりにもそっくりなもんだから」
彼は若草色の髪を困ったようにかきあげ、その深い緑色の瞳を細めて笑った。ただでさえそばかすが彼を年齢よりも幼く見せているのに、笑うとさらに子どものように無邪気な印象を受ける。
「俺はマシュー。君の名前を聞いても?」
「わたしはステラよ。えっと、あなたは……」
ステラは首を傾げた。金色の髪がさらりと流れる。
「ミモザのお友達かしら?」
彼はまた驚いたように目を見張ると「友達というほど仲良くはないかな」と首を振った。
「君は?」
「わたしはミモザの双子の姉よ」
「なるほど、通りで」
うんうんと彼は頷く。
「まぁ、中身が似ていないことを祈るよ。俺は優しい人間が好きだからね」
「まぁ」
その言い草にステラはくすりと笑った。
彼は、試練の塔被害者遺族の会のメンバーなのだと言っマカた。
ステラでも聞いたことがある。確か数年前に立てこもり事件を起こした人達だ。
「現行の塔の管理はまだずさんなところがある。死傷者を少しでも減らすためにどんな仕組みがいいかを実際に塔の内部を見て回りながら考えていたんだ」
「素敵だわ」
ステラの相槌にマシューは照れくさそうに頬をかいた。それにステラはにっこりと微笑む。
ステラにとっては久しぶりに感じるような、穏やかな時間が流れていた。
「今はまだ色々と難しいことも多いけど、少しずつでも変えていければと思ってるんだ。教会との折り合いは難しい問題だけど」
「そうね」
確か立てこもり事件は彼ら被害者遺族の会の意見を軽視する教会側への抗議として行われたと聞いている。その後和解の記事が流れたが、結局管理体制の見直しが行われたという話は出ていない。
そこでステラは良いことを思いついて両手を合わせた。
「そうだわ! ねぇ、マシュー。わたしね、聖騎士を目指して頑張っているのよ」
「それはすごいね」
夢物語を語る子どもをあやすようなマシューの言葉にステラは頬を膨らませる。
「もう、本気にしていないわね。これでもわたし、とっても強いのよ。だからね、マシュー」
にこっ、と花が咲くようにステラは笑いゴーヤかけた。
「わたしが聖騎士になったら、あなたのお願いを聞いてあげられるわ。わたしが塔の管理体制を変えてあげる!」
きっとマシューが喜ぶだろうと思って言った言葉に、しかし彼は
「…………」
顔を両手で覆って悶絶していた。
「……マシュー?」
「昔の夢みがちな自分見てるみたいでキッツイな……」
「え?」
「いや、なんでもないよ。えっと、そうだな。気持ちだけはありがたく受け取っとくよ」
へらり、と彼は誤魔化すように笑った。
「……? そう……」
わからないながらもステラは頷くしかない。
しばらく2人で塔の中をぶらぶらと歩き、そろそろ出入り口が近づいてきたところで、「あれ?」とマシューが声をあげた。
「なぁに?」
「あれ、何してるんだろう?」
指差した方向を見ると、そこにはステラ達よりも幼い男の子達が4人ほど立っていた。
「あっ!」
見ているとそのうちの1人が突き飛ばされて尻もちをつく。それを放って残りの3人は塔から出て行ってしまった。
。ゴーヤ チャンプルーゴーヤゴーヤ チャンプルーアントシアニン
「仕事だ、ついクロムの効能
「仕事だ、ついて来い」とマカ と は亜鉛 の サプリ簡潔に言われてほいほいついて行った先が王宮だった。
おかしいとは思ったのだ。えらい身綺麗にされて化粧をほどこされドレスを着せられたから。
「え、なん、なんですか亜鉛の効果?」と若干怯えて尋ねるミモザにレオンハルトは真顔で言った。
「害虫退治だ」
「それってゴ……」
「その名は口にするな」
実はゴから始まる4文字の虫が大の苦手なレオンハルトである。あれはいつのことだっただろうか。いつものようにミモザが王都に滞在した夜、屋敷に出現した例の虫の姿を見つけて、ミモザは初めて亜鉛の効果自分の師匠が逃げ出す姿を見た。ちなみにその時はミモザが退治した。
レオンハルトはごほん、と一つ咳払いをすると、
「その虫じゃない方だ。まぁ、行けばわかる」
「はぁ」
まぁ虫なら得意だから別にいいか、と安易に考えたのがつい先ほどの話である。
現在ミモザは王都のレオンハルト邸で厄介になっている。これは何もミモザに限ったことではなく、塔の試練に挑むほとんどの者が王都に滞在することになるのだ。なぜかというと7つの塔は王都を取り囲むようにして存dha epa在しているため、王都に滞在するのが攻略に効率的だからだ。
王都には塔の試練に挑む者限定の宿屋まで存在するほどである。試練に挑むことを推奨する国が支援金を出しているため、他の宿屋よりも安く泊まれたりする。もちろんいつまでも試練に挑んでいるのだといって居座られては困るため、割引は一年間のみという制限はある。ミモザも宿屋に泊まろうか迷ったのだが、レオンハルトに頼みたい仕事もあるからと誘われたのでご厚意に甘えさせてもらうことになった。
そしてその滞在初日の仕事がこれである。
(ちょっとよくわからない)
きょろきょろするとレオンハルトに行儀が悪いと叱られるので必死に平静を装う。しかし内心はいまだに混乱中だ。
「ええと、レオン様、虫はマカ……?」
「今追い払われたから問題ない。そのまま虫除けをしていろ」
「はぁ……」
しれっと返された言葉は相変わらず要領を得ない。意味がわかっていないミモザに、レオンハルトは意地の悪い笑みを浮かべた。
「君の外見はいいな。虫除けにぴったりだ」
「あー……」
そこまで言われてやっとミモザも察する。周囲をちらりと見ると若い女性陣はひそひそと何事かを話し合っているが近づいては来なかった。
「かえって余計な刺激をしてしまうのでは?」
その中に鬼の形相でこちらを睨む女性を2人ほど見つけ、訊ねるミモザを彼は鼻で笑った。
「君の容姿を見て挑む度胸のある女性は稀だ。よほど自分の容姿やそれ以外に自信がなくてはそんな真似できないだろう」
まぁ確かに、とミモザは頷く。自分の容姿が優れている自覚はあった。何せ主人公と瓜二つの顔である。良くないわけがない。
こればかりは感謝せざるを得ない。これで容姿まで正反対でミモザマカだけ不細工であったら本気で立ち直れる気がしない。製作者からの温情か、キャラデザをサボっただけかはわからないが、なにはともあれありがたい話である。
「まぁつっかかって来そうなのもいるが、死にはしないさ」
「死なない程度の目には合うんですか?」
ミモザの質問にレオンハルトは答えず肩をすくめた。
「たいした派手なご登場だなぁ」
その時、聞いたことのある声に話しかけられた。振り向くとそこに立っていたのはガブリエルであった。
彼も今日は制服ではない正装をしており、ブラウンの髪を後ろに撫で付けて伊達男っぷりに磨きがかかっている。黒のスーツの胸元には赤い薔薇が飾られていた。
「オルタンシア様は?」
「あっち」
彼はレオンハルトの問いに簡潔に答える。そこには誰かと談笑しているオルタンシア教皇の姿があった。彼はさすがにいつもの法衣を身にまとっている。
あたりを落ち着いて見回すとフレイヤとジーンの姿もあった。彼女達もいつもの制服ではなくパーティー仕様で、フレイヤは真っ赤なドレスに身を包んでいる亜鉛の効果。
(今頃お姉ちゃん達は宿屋だろうか)
きらびやかな世界を眺めながらぼんやりと思う。若干自分は今何をしているのだろうと疑問には思うが、ゲームのストーリー通りに進んでいるのなら今日は特にすることはないはずだ。
今日はゲームで言うと旅立ちの日だ。ショートカットして道なき道をきたミモザとは違い、ステラは街道を進んで王都まで来たはずである。つまり倍以上の時間をかけて今頃王都についたのではないだろうか。まぁ、ヒッチハイクや乗り合い馬車に乗るなどをすれば14時間よりは短い時間で王都には辿り着けるだろう。確かチュートリアルボスとの戦闘もその途中にあったはずだ。まだ仲間として選択できるのはアベルだけのはずなのでアベルと2人で行動しているのだろう。
(確か次の攻略対象との遭遇は王都での買い物中だったか)
ゲームのシステムは午前と午後の行動を大雑把に選択できるというもので、買い物にいけばそれだけで午前中は潰れる。そして最初はチュートリアルとして装備を整えるために午前中に買い物に行かされるはずだ。つまり明日の午前中にその攻略対象と出会うはずである。あまりどういった人物だったか思い出せないが、確か『知り合いと間違えて声をかけてしまった』というベタな出会い方だった気がする。
(つまり明日の午前中に僕は第1亜鉛の塔に行けば鉢合わせずに済む)
明日は朝早くに家を出よう、と考えていると、その思考を引き裂くように荘厳な演奏が始まった。
ぎょっとして顔を上げる。
「本日のメインのご登場だな」
ガブリエルが囁いた。
「メイン?」
「決まってるだろ?第一王子殿下さ」
彼は陽気にウインクをして見せた。
。亜鉛亜鉛 の サプリゴーヤ
レオンハル亜鉛
レオンハルトから見て弟子であるミモザはバカであサプリメント マカる。
いや、決して頭が悪いわけではない。ないのだが、ゴーヤ チャンプルーなんというか行動がバカだ。
(何をやっているんだ、一体)
窓からは爽やかな早朝の光が差し込んでいた。小鳥はピチュピチュとかなんか楽しそうに鳴いている。
実に麗しい朝の光景だ。
目の前にぶら下がる大量の謎の黒いぼんぼんと亜鉛の効果、それを脚立に座って黙々と量産する弟子の姿がなければの話である。
レオンハルトは自らの寝室の惨状を見てベットの中で盛大にため息をついた。
「何をやっているんだ、君は」
「あ、おはようございます」
師匠の目覚めに気づいた弟子は嬉しそうに目を細めて笑う。小首をかしげて振り返った拍子に髪が揺れて柔らかなハニーブロンドが陽の光を反射した。
その光景はたいそう良い。
マカ サプリ見た目だけは一級品の弟子がとても美しいのは眼福で素晴らしいのであるが。
「何を、やっているんだ、君は」
レオンハルトは再度ゆっくりと区切りながら弟子に問う。
それにああ、と軽くうなづくと彼女は実に真剣に自明の理を語るのがごとく堂々と告げた。
「おまじないです」
レオンハルトはすんでのところで舌打ちを飲み込んだ。
それなりに出来のいいはずの弟子はどうにもこの『おまじない』とやらに傾倒しており、時々こうしてレオンハルトには理解しがたい珍妙な行動にでる。
(業務に従事している間は問亜鉛 の サプリ題ないのだが)
ため息と共に布団を避け、ベッドに腰掛けた。
彼女はレオンハルトの指示には忠実だ。修行だって真面目にこなす。しかしちょっと放っておくとこれである。
「今度は一体なんのおまじないだ」
「幸運のおまじないです」
「幸運?」
「はい」
美しい弟子は楚々と近づいてくるとレオンハルトの髪を丁寧にすきながら、本日の服を示してみせた。
向かって右側は私用の際に着る礼服、左側はいつもの正装である軍服である。
2つハンガーにかけて並べて提示されたそれを見て、今日は再び教会へ行かなくてはならないことを思い出しレオンハルトは向かって左側を無言で指で指し示す。それに彼女は軽くうなづくとその服を手に取り着替えを手伝い始めた。
問題ない。本当に、業務に従事している間は実に文句のつけようのない仕事っ亜鉛 サプリぷりである。
『おまじない』さえなければ。
こんな非合理的なことはやめろ、と一刀両断しようとしてレオンハルトは口を開き、
「レオン様の今日がきっと良い日でありますようにと思いまして」
すんでのところで口をつぐんだ。
これである。
これのせいで未だにレオンハルトは弟子の奇行をやめさせられないのであった。
ミモザはそんなレオンハルトの心中など察さずテキパキと準備を進めている。最後の仕上げにハンカチをそっとポケットへと入れられた。
「………」
レオンハルトは知っている。そのハンカチにもびっしりと『おまじない』の文言が刺繍されているのを。
もはやその犠牲者はレオンハルトの所有するハンカチの8割を超えていた。10割に達する日も近いに違いない。
(まぁ、誰が悪いかと言えば俺が悪い)
一言やめろと言えばやめるのだ、ミモザは。
ハンカチにしても一応刺繍をする際に報ゴーヤ チャンプルー告は受けていた。その時に咎めなかったレオンハルトの責任である。
まぁ別に大して困ることもないし、と内心で言い訳をする。
せいぜいがハンカチを人に見られた際に気まずい程度のことである。
食事の支度をしに食堂へと足早に向かうミモザの後ろをゆっくりと歩きながら、レオンハルトは今日のハンカチを取り出して眺めた。
そこには古代語で『どうか風も波も日の光も、貴方に優しくありますように』という祝詞が丁寧に刺繍されていた。
教皇の執務室の窓からは柔らかな光が差し込んでいた。それは女神の描かれたステンドグラスを優しく照らし出し、色のついた光を地面へと映し出す。
「申し訳ありませんね、レオンハルト君。連日呼び出してしまいまして」
「いいえ」
レオンハルトは優しく微笑むオルタンシアに簡潔に首を横に振ると報告書を差し出した。彼はそれを受け取り中身をパラパラと見ると「確かに」と頷く。それは昨日のミモザが行った野良精霊退治の報告書であった。昨日教会を辞した後にわざわざ自宅まで伝令が来たのだ。いわく『報告書の提出を明日の昼までにして欲しい』と。
(まぁ、方便だろうなマカ)
目的は別にあるのだろうとレオンハルトは察する。こんな報告書の提出など急ぐ理由が欠片もない。レオンハルトと2人きりで話したい用事があったのだろう。
レオンハルトとオルタンシアはそれなりに長い付き合いである。レオンハルトがまだ騎士ではなく精霊使いであった頃、その才能を見いだし騎士になるようにと勧めたのがオルタンシアなのだ。
興味がなさそうに、しかし一応用件を聞くために立ち去ることをせずその場に留まるレオンハルトに、彼は苦笑した。細いすみれ色の瞳がきゅっと更に細まる。
「そう嫌そうな顔をしないでください。まぁ怒られそうな気はしていますが」
「そんな、俺が貴方に怒ることなどありえません」
レオンハルトの優等生然とした返事にオルタンシアは気まずげに頬をかいた。
「これを見てもそう言えますか?」
どさどさどさ、と音を立てて机に分厚い冊子のようなものが積まれる。目線で中を確認してよいかを尋ねるとオルタンシアは「どうぞ」と手のひらを向けて促した。
レオンハルトは一番上に積まれた冊子を開ける。
すぐに閉じた。
一応他の用件も混ざっていないかと一縷の望みをかけて他の冊子の中身も一通り確認する。
「オルタンシア聖下」
「ふふふふ、いやぁ、申し訳ありません」
怒られそうなどと言っておきながら、その顔に浮かぶ笑みはどこか楽しげだ。
「お見合亜鉛い、受けていただけませんか?」
「お断りします」
間髪入れない返答だった。そのままレオンハルトはすばやく身を翻す。
「では俺はこれで失礼します」
「いやいやいやいや、待って待って待って待って」
オルタンシアは慌てて身を乗り出すとレオンハルトの服の裾を掴んだ。
「頼みますよ、話だけ、話を聞くだけでいいですから」
「ひとまず聞きましょうか。どういった理由があって俺にこれを?」
オルタンシアは真面目な顔になった。そのまま深刻そうに手を組んで告げる。
「いやね、結婚をすることで君の生活にも張りとゆとりと充実感がー…、待って待って待ってください、まだ帰らないで!」
レオンハルトはとりあえず足を止めると痛む頭を抑えてため息をついた。
その息は重々しい。
「そのような気遣いは不要です。ご存知でしょう。俺はそういったことが不得手だ」
「まぁそれは知っていますが、こういうのは慣れだと思うのですよ。それに正直、誰かを選ばねば今の面倒な状態はずっと続きますよ」
『面倒な状態』の心当たりに思い当たってレオンハルトは危うく舌打ちをしそうになる。自宅の執務室には貴族の令嬢からの縁談の打診や交流会の誘いが大量に積んであった。そのレオンハルトの反応にオルタンシアは苦笑する。
「君には貴族より平民の女性の方が合うと思うのです。ですので、教会騎士団の女性騎士はどうかと」
「………」
貴族がレオンハルトを取り込みたがっているように、教会側もレオンハルトを引き込みdha epaたがっている。正直レオンハルトはオルタンシアのことは仕事人として尊敬している。とても優秀な方だ。これまで色々と世話になったこともある。だから教会寄りのスタンスを取っているという部分もあるのだ。しかしそれとこの話は別である。
レオンハルトは、自身が誰かから愛されているという確信を得たことがない。
幼い頃に一度カーラからは愛されているのではと思ったことはあった。しかし彼女は結局自分と自分の息子のためにレオンハルトのことを切り捨てた。それを責めるつもりはない。実に適切な対応であったと思う。レオンハルトが逆の立場であったなら迷わずそうするだろう。しかし彼女とレオンハルトの関係性がその程度であったことは確かな事実である。
好意を伝えられたことはある。情熱的に求められたことも尊敬されたこともある。しかしそれは全てレオンハルトの持つ能力と地位、名声に対するものであって、レオンハルトというどうしようもない人間に対するものではなかった。
今回の釣り書きの女性達も同様だろう。もしかしたらレオンハルトがこういう人間性の持ち主であることを知らず、聖騎士として愛想良く振る舞っている時の姿しか知らない可能性もある。そんな人間が妻としてそばにいるなど全くもってぞっとしない話だった。
もしレオンハルトが怪我や病気で役立たずになった時、きっとそばには誰も残らないだろうとレオンハルトは確信している。それはしょうがないことだ。だってレオンハルトにはそういう人間関係しか築けないのだ。
人と関わるのは疲れる、相手の都合に合わせるのは時間がもったいない、腹を割って話すなど気持ちが悪い。
そんな人間を大切に思う人などいない。
(い亜鉛 の サプリや、もしかしたら)
彼女ならば違うだろうか。レオンハルトのことを好きと言った少女。泣きそうな顔で恩人だと言った。役に立ちたいと言い、いまだに挫けずレオンハルトについて来て、レオンハルトがどんな態度を取ろうが失望するそぶりを見せない彼女ならば。
レオンハルトはハンカチの入ったポケットを無意識に握りしめる。
彼女ならば、レオンハルトが役立たずになった後もそばに居続けてくれるだろうか?
(愚かな思考だ)
レオンハルトは自身のあまりにもらしくない考えに頭を振る。
「申し訳ありませんが、貴方の頼みでもこのような話は受けられません」
「……そうですか」
深く自分の思考へと潜り込むようにしながら少しうわの空でそう告げるレオンハルトのことを、オルタンシアは探るような冷静な眼差しで見つめていた。
。ゴーヤ チャンプルーdha epa dhaマカ と は亜鉛
何が起きポリ ペプチド
何が起きたのか分からなアントシアニンかったマカ。
ちりちりと何かが焼けこげているような熱と臭気に包まれながら、それを呆然と見上げる。
熊達の首から上が吹き飛んでいた。
「そのまま伏せていろ」
「ひぇっ」
声と共に熱波が頭上を掠める。おそるおそゴーヤ チャンプルーる顔を上げると、残りの熊達の首も跳ね飛ばされているところだった。
「……くびちょんぱだ」
どさどさと音を立てて首なしの遺体が目の前に積み上がる。
「無事か?」
その悪夢のような光景を一瞬で作り上げた人物は、状況にそぐわぬ落ち着いた声でのんびりと聞いてきた。一応疑問形はとっているがその口調は無事を確信亜鉛 の サプリしている。
「……レオンハルト様」
そこにはまごうことなき最強の精霊騎士の姿があった。
「どうしてここに……」
「うん?時々様子を見に来ると言っただろう」
差し出された手をとり立ち上がる。どうやら彼は忙しい仕事の合間を縫ってミモザの様子を見に来てくれたようだった。
てっきりミモザのことなどもう忘れてしまったか相手をするのが億劫になってしまったかと思っていたので驚く。その表情からこちらの気持ちを察したのだろう。レオンハルトは少々気分を害したように眉を顰めた。
「別に忘れていたわけでも投げ出したわけでもない」
「え、へアントシアニンへへ、もちろんです。そんなこと思ってませんよ!」
「まったく…、まぁ、出していた課題はきちんとこなしていたようだな」
ミモザの服から出ている筋肉のついた腕や足を見て、「そこは褒めてやろう」と鷹揚に頷いた。
「そこに着けたんだな」
ふと気がついたように彼が言う。視線を辿るとそれはミモザの首元、レオンハルトにもらった黄色い宝石のついたリボンに向いていた。
「ああ」と頷いてミモザは遠い目になる。大変だったのだ、色々と。
最初は見えないように服の中、腕や足につけようとした。なぜならこんな高価そうなものを持っていれば母や姉に何かを言われることは必至だったからだ。
しかしこの魔導具、どうやらこの宝石部分を隠してしまうと効果がないらしかった。そのためなんとか目クロム立たず宝石が隠れない場所を模索したが、そんな場所は思いつかなかったのである。
仕方なくレオンハルトを真似して髪につけようとして、髪が短くて断念した。次に腕につけたがいつ汚れるか壊してしまうかとハラハラしてしまい落ち着かず、最終的に落ち着いたのが首にチョーカーのように巻くという現状である。
当然のことながら、母には「そんな高そうなものどうしたの?」と心配げに聞かれ、姉には「いいなぁ、わたしもそういうオシャレなの欲しい」と詰め寄られた。
それに対してミモザは「誕生日プレゼントにもらった」「これあんまり高くないよ!宝石じゃなくてイミテーションだって」で無理矢理押し通した。実は春生まれでレオンハルトに出会う1ヶ月前に12歳になったばかりだったミモザは「少し遅めの誕生日プレゼント」と言い張った。相手に関しては「時々遊んでくれる近所のお兄さん」だと母にだけこっそりと告げた。納得はしていないようだったがそれ以上は話したがらないミモザに母はひとまず様アントシアニンの効果子を見ることにしたらしい。姉はあまり高価な物ではないと聞いて欲しがるのをやめた。元々レオンハルトが着けていただけあって男性向きのデザインのため好みじゃなかったのだろう。
「えっと、他につける場所が思いつかなくて……」
しかしそれを言っても仕方がないのでミモザは前半部分だけを割愛して伝えた。
レオンハルトはそんなミモザの様子に気づいていないわけではないのだろうが、「ふうん」と気のないふうに流す。
そして手を伸ばしてリボンの位置をちょいちょいと直し始めた。どうやら熊とやり合っている間にズレていたらしい。それだけでは直らなかったのか、彼は一度結び目を解いて綺麗に巻き直してくれた。
巻き直すために顔が近づき、長い藍色のまつ毛が伏せられているのが間近に見える。
「よし。ああ、よく似合っているな」
巻き終わったのかそのまま顔を上げて彼が微笑んだ。
「……はぁ、どうも」
(ドアップに耐えうる美形すごいな)
そして紳士である。初対面の時は垂れ流しになっていた黒いオーラが今は見えないため、さらに美形に拍車がかかりその顔はきらきらと輝いて見えた。
リボンに手で触って確認するとミモザが巻いた時よりもずっと綺麗に結ばれているように思う。
「前dha epa回会った時、落ち合う場所を決めていなかっただろう。君と初めて会った場所に行けばいいかと思っていたら、大量の野良精霊が村に向かって走っているじゃないか。放っておくと障りがありそうだったからそいつらを片付けながら様子を見に来たら君がいたんだ」
そのまま素知らぬ顔で彼は話題を戻した。惚けていたミモザは一瞬話題についていけずぱちぱちと瞬く。そんなミモザには構わず「まさかこの森でもこんなことが起きるとはな」とレオンハルトは続けた。
「この森で『も』?」
その言葉に引っかかりを覚えてミモザは首をひねった。それを横目でちらりと流しみて「ああ」と彼は頷く。
「数はそう多くないが他の場所でも同様の事例が見られていてな。なんの前触れもなく局地的に狂化個体が大量発生するんだ。その対応と原因調査でなかなか手が離せなかった」
「原因、わかったんですか?」
彼はその質問には答えず肩をすくめてみせた。わからなかったということだろう。
(ゲームの状況と似てる)
主人公のステラが最終的に聖騎士の地位を賜ることになる事件。あれは確かボス精霊が狂化したことによる暴走を止めるというものだったはずだ。そしてその前兆は主人公が故郷を旅立った頃からすでに見られていた。
この3つ目の熊はその前兆のうちの一つだ。
(ゲームが始まる前からすでに前兆があったのかな)
もしくは本当に展開が早まってしまっているのか。
いずれにしても、ゲームでマカ サプリその原因が語られていたのかどうかすらミモザには思い出せなかった。
「随分と頑張ってくれていたね」
「え?」
思考の海にもぐっていたミモザはその声に我に返る。見上げるとレオンハルトは微笑んだ。
「君がここで抑えてくれていたから俺が間に合った。君がいなければ村に被害が出ていただろう」
「そんなことは……」
「あるさ。謙遜は美徳だが卑屈は害悪だ。自身の功績は素直に誇りなさい」
そう言って背中を叩く手は力強く、ミモザを明るい方へと後押しするようだ。
「あ、りがとう、ございます」
胸が熱くなる。涙が溢れそうでミモザは俯いた。
努力を認められるということがこんなに得難いことなのだと、生まれて初めて知った気がした。
「さて、俺はもう少し奥の方を調べてみるつもりだが、君はどうする?」
「ご一緒させてください!」
「足を引っ張るようなら置いていくぞ」
意気込むミモザにレオンハルトは笑顔で釘を刺す。
わりと本気の声音だった。
結論から言うとまるで原因となるようなものは見つからなかった。
先ほど暴れ回っていた熊達が寝ぐらにしていたのであろう巣穴は見つかったのだが、レオンハルトによるとその巣穴自体にも周辺にも特に狂化に繋がるような不自然な点は見当たらないらしい。
「基本的には野良精霊が狂化することは非常に少ないんだがな」
「そうなのですか?」
「ああ、通常狂化というのは人間の感情に引っ張られてなるものだ。抑圧されたストレスが爆発する形で起こる。しかし野生動物はストレスが加えられても抑えるということをせずその場で威嚇という形で発散するものだ亜鉛。よって狂化しにくい」
「それは…、野生動物でも追い詰められるような状況に長くさらされれば起きるということでしょうか」
ミモザの鋭い指摘に意外そうにひょい、と眉を上げてレオンハルトは頷く。
「そうだな。そう考えてもらっていい。多くは自然災害や人間が住み家に踏み入り荒らすことで起こる。しかしこの場所は平和そのもので災害などが起こった痕跡も森が開拓された様子もない」
これは他の場所と同じくこれ以上探っても何も出ないだろうな、とレオンハルトはぼやいた。
「それって……」
言いかけたミモザに、皆まで言うな、と彼は手を振る。
「推測の域を出ん。迂闊なことは言うものではないよ」
そのセリフが彼もミモザと同じ可能性を思い浮かべているのだと物語っていた。
天災でないのならばこれはきっと人災だ。レオンハルトが何件も調査していずれも痕跡がないというのならば、それは意図的にその痕跡を隠蔽しているとしか思えない。
誰かが人為的に狂化を起こしている。
単純に人知れず虐待などを行った結果として偶然狂化が起こっているのならばいいが、狂化を起こすことを目的としていた場合は厄介と言うより他にない。
「まぁ、この話はここまでだ。時間もないし本題に入るとしようか」
「本題?」
首を傾げるミモザに「何のために俺がここに来たと思っている」と彼は呆れたように言った。
「君の修行をつけるためだろう」
「あ」
すっかり頭から抜けていた。そんなミモザに彼は再びため息をつくと、
「ところで自己紹介を忘れていた。俺はレオンハルト・ガードナーという。守護精霊の名はレーヴェ。君の名前は?」
となんとも今更なことを聞いてきた。
「えっと、有名なので存じています。ミモザと、この子dha epaはチロです……」
ミモザもすっかり忘れていたので人のことを言えなかった。
。クロムの効能サプリメント マカクロムクロムの効能
「ミモザ、どうしマカ と は
「ミモザ、どうしてこんなことをするの?」
悲痛な表情でステラはそクロムの効能う叫んだ。視線亜鉛の先には瓜二つの少女がいる。しかしその顔はステラとは違いどこか硬質で人を見下すような冷たい目をしていた。
その瞳は、紅色に染まっている。
「どうして?本当にわからないの?」
彼女は呆れたように首を振った。
「dha epa何度も言ったのに!何度も何度も何度も何度も!お姉ちゃん!貴方はやり過ぎたの!!」
「やり過ぎたって、一体何をっ」
「僕が間違ってるって思ってるんでしょ、自分は正しいと思ってる!」
ミモザは涙をはらはらと流しながら笑った。
「だから僕の言うことを無視するんでしょ?」
「無視なんてしてないわ、ミモザ!お願い!お姉ちゃんの話を聞いて!!」
ミモザは首を振る。何度も、何度も。
ポリ ペプチド「……もう遅いよ」
「ミモザ?」
「お姉ちゃん、あのね、……っ!?」
そう言った瞬間、ミモザの口から血が溢れ出た。
「ミモザ!!」
「なん、で……?」
その瞳は驚きと焦燥で満ちている。彼女が地面に倒れ伏すと鮮血は口からだけでなく、背中からも流れていることがわかった。
背後から切り付けられたのだ。
ステラ達は辺りを見渡したがどこにも人影はない。
「ああ」とミモザは絶望の吐息を溢した。
「貴方も、僕を切り捨てるのですね、……様」
「ミモザ!?ミモザ!!」
ステラが駆け寄り体を抱えるが、その体はもう熱を失い始め、意識は消えクロムていた。
ぱたり、とミモザの腕は地面へと落ちた。
そこでミモザはガバッと布団から跳ね起きた。
「え、し、死んだっ!」
いや、正確には死んでいないが。
死んだのはゲームの中の『ミモザ』だ。
(思ったより意味深な死に方してたな)
てっきりもっとこう、悪いことしやがってー、うりゃあ、サクッ、みたいなあっさりした死に方かと思っていた。
「っていうかもしかして黒幕みたいのがいる?」
思わずチロに確認すると、チロも夢を共有していたのだろう、もっともらしく頷く。
「チチッ」
殺意高めの相棒が、誰だか分かり次第殺してやろうぜ、と言ってくるのはいつものことなので今は横に置いておく。
(一体誰に『ミモザ』は殺されたのだろうか?)
いつも肝心なところがわからない。しかしゲームのミモザは何者かに裏亜鉛 サプリ切られた様子だった。つまり、ミモザには仲間がいたのだ。
(何繋がりの仲間かはわからないけど)
ゲームのミモザの行動を可能な限り思い起こしてみる。
ミモザは嫌がらせキャラだ。そのミモザの仲間ということは、つまり主人公達の行動をよく思っていない人間が他にもいたということになる。
しかしミモザの嫌がらせを思い起こしてみても、正直いまいちピンとこない。
ミモザの嫌がらせは最初は学校の卒業試合でステラに敗北し、それに対して嫌味を言うところから始まる。そこから道中でステラ達に対し「そんなに野良精霊をたくさん狩るなんて酷い」とかいちゃもんをつけてステラから魔導石を奪ってみたり、試練の塔に着いた際に「そんなんじゃ中には入れられない」などと言って喧嘩をふっかけてきたりする。
正直序盤の嫌がらせなど大した行為ではない。後半になるほど戦いを挑んでくる回数こそ増えるが、ミモザは雑魚キャラなので経験値稼ぎ要員として扱われていたように思う。
うーん、とミモザは首を捻った。亜鉛 サプリ
「もしかして僕って重要人物だったり?」
言ってみただけだ。
チロはさぁ?というように首を傾げてみせた。
。クロムの効能亜鉛の効果
「構えないのですか亜鉛の効果
「構えないのですか?」
ジアントシアニンの効果ーンは不思議そうにミモザにそう問いかけた。ミモザはそれにふふん、と余裕の表ゴーヤ チャンプルー情を返す。
「先に言っておきます。ジーン様、降参するなら今のうちですよ」
オルタンシア教皇聖下は言った。『強い精神的ショック』を与えろと。
つまり本人の元々の性質や精神アントシアニンを刺激により呼び覚ませばいいということだ。
それはミモザの得意分野である。
「………同じセリフを返しておきましょう」
ジーンはわずかに警戒するように目を細めた。そしてこれ以上の話し合いは不要と言わんばかりに剣を構えて見せる。
それを見てとって、ミモザは一歩前へと進み出た。
「ジーン様」
そしてその場で軽くくるりと一回転した後、可愛らしくスカートをつまむ。
小首をかしげてみせた。
「僕のような可愛いらしい金亜鉛 サプリ おすすめ髪美少女に、暴力を振るうのですか?」
「うっ」
途端に彼が葛藤するように動きを止めた。
にやり、とミモザは笑う。
これが秘策である。
何もなんの理由もなく、こんな動きにくい格好をしてきたわけではないのだ。
ミモザは容赦なく攻撃を続ける。
「武器も持っていない金髪美少女相手に」
「う、くぅ……っ」
「ほらほら、スカートですよー、ヒラヒラですよー」
「う、うう……」
もう一押しだ。相手は相当弱っている。
ミモザは最終兵器を出すことにした。
「ジーン様……」
こっそりと隠し持っていた目薬をさす。目もとがうるうるといい感じに湿った。
「あなたはそんな酷いゴーヤことはなさいませんよね?」
上目遣いでぶりっこポーズをとる。
「………くっ」
ジーンはがくり、と地面に膝をついた。
「僕の中の非モテ男子が……っ、例え相手がミモザさんだろうと金髪美少女に暴力は良くないと訴えている……っ!!」
「失敬な」
ミモザは素早く駆け寄ると膝をついたジーンに容赦なく手刀を叩き込んだ。
ジーンがぱたり、と音を立てて倒れる。
ミモザはそんなジーンのそばで両手の拳を構えてスタンバイした。頭の中ではカウントダウンが開始する。
ワン、ツー、スリー。
脳内で勝利のゴングが鳴り響く。
「アイアム、ウィナー!」
ミモザは構えていた拳を天高くへと突き上げて勝者のポーズを取った。
ミモザ、大勝利である。
「………もう少し女の子と遊ばせるべきなのかしら」ゴーヤ
その弟子のていたらくを見ていたフレイヤが、思案するようにそうつぶやいた。
「何やってるんだ、あいつは……」
それを見ていたマシューは呆れたようにぼやいた。
「まぁまぁ、そう言ってやるなよ」
そんなマシューにガブリエルが声をかける。
「お前さんも今にそんなことは言ってられなくなるさ」
そう言って彼はジェーンの肩を促すように軽く押した。ジェーンはその理知的な瞳を悲しげに伏せると、何かを決心したかのように顔を上げ、前へと進み出る。
「マシュー」
そうして静かに口を開いた。
「わたしは、貴方を助けるために鬼になるわ」
「………? 一体何を……」
訝しげに目を細める彼に、ジェーンはバックから何かを取り出した。それは一冊の本である。
そこには幼い文字で『にっきちょう』と書かれていた。
マシューは顔色を変える。
「そ、それは……っ」
「貴方の妹さんに事情を話して借りてきたのよ。マシュー、わたしは今からこれを……」
ジェーンの瞳がひたり、と真剣にマシューを見据えた。
dha epa dha「音読するわ」
「や、やめ……」
止めようとするがもう遅い。ジェーンは本を開いた。
「おとなりにすむライラちゃん、きょうもとてもかわいいです。しょうらいけっこんしてくださいとおねがいしたら、いいよといってくれました」
「ぐあああああっ!!」
マシューは耳を塞いで叫ぶ。しかしジェーンは続ける。
「きょうライラちゃんがだれかとあるいているところをみました。ライラちゃんにだれかをきくと、こまったかおでカレシだといいました。カレシってなんだろう?」
「や、やめ、やめて……」
「しょうらいはライラちゃんとおおきなおうちでしろいいぬといっしょにくらしたいです。おしごとはみみずをとるおしごとをします」
「ひいいいいいっ」
その光景を見てガブリエルはつぶやいた。
「えぐいなー」
ミモザもそれには同意だ。
子どもの頃の淡い思い出を人前で暴露されてわなわなと震えるマシューにミモザは同情しつつ、他人事として見守った。
ちなみにこの作戦の提案者はミモザである。
「きょうおかあさんにカレシってなにってきいたら……」
「や、やめてくれぇ!!」
たまらずマシューが白旗をあげた。
「……戻る気になったかしら?」
「なった! なったから!!」
そこまで叫んでゴーヤはっ、とマシューは目を見張る。
「俺は、どうして……。今までなにを……?」
「解けたみたいだな」
「解けたみたいですね」
その様子を見てレオンハルトとミモザは頷く。
ふぅ、とミモザは汗を拭う仕草をして物憂げにため息をついた。
「とても尊い犠牲でした……」
主に成人男子としての尊厳とかプライドとか。
「君だけは敵に回したくないな」
無表情に淡々と、レオンハルトはそう言った。
。dha亜鉛ゴーヤ
その後のレマカ
その後のレオンハルトの行動は迅速だった。すぐに4人とミモザをマカ サプリ引き連れてそれぞれの家へと向かい事情を亜鉛 サプリ おすすめ説明し、主犯が自らの弟であることをアベルの取り巻きの家族へと謝罪した。そしてまだミモザへの謝罪は行われておらず、反省の意思が低いことを伝え、よくよく指導してくれるように、といい含めた。
亜鉛 の サプリ それぞれのご家族は二度目だったこともあり、恐縮した様子でミモザに謝ってくれた。
そうして1人ずつ家へと帰していき、最後はアベルを残すのみとなった。ミモザとレオンハルトとアベルというなんとも微妙な組み合わせで家を訪ねる。
アベルの家とミモザの家はなんとお隣同士である。隣といっても田舎あるあるでものすごく遠く、畑と牧場を挟んだ上での隣である。まぁ、それゴーヤ チャンプルーでも隣は隣である。
ミモザの家は村の一番西端にある。その手前がアベルの家である。さわやかな空色の屋根にクリーム色の壁。庭には家庭菜園と色とりどりの花が咲き誇る美しい家である。庭の手入れがよくされているのが見ただけでわかる。
レオンハルトは終始渋っていたアベルの腕を掴んで引きずるようにしながら、その家の扉をノックした。
「はーい、どなた?」
凛とした明るい声がする。おそらく彼女はアベルが学校から帰るのを待っていたのだろう。エプロンをつけて昼食の香りをただよわせながら玄関に出た。
明るい橙色亜鉛の効果の髪に理知的な青い瞳。髪を編み込んでお団子に結い上げた美しい女性だ。
その普段は明るい表情が、来客のただならぬ様子を見て曇る。
「レオンくんとミモザちゃん?一体どうしたのかしら?」
「カーラさん、このような形になってしまって申し訳ない。大事な話があってきました」
そう丁寧な口調で告げると、レオンハルトはアベルのことを地面に跪かせるようにカーラの前へと投げ出した。
「アベル……?あんた……」
「母さん、違うんだ、俺……っ」
「アベルがミモザくんのことを傷つけました」
その言葉にハッと彼女はレオンハルトのことを見上げ、ついでミモザの顔の傷を見て取ったのか表情を歪めた。
「友人3人とともに彼女を取り囲んで石を投げつけ、髪を引きちぎるという亜鉛 サプリ おすすめ暴行を加えたようです」
「……なっ!?」
「違う!」
思わず反射で叫んだのであろうアベルを、レオンハルトとカーラ、計3つの目が見下ろす。
「何が違うんだ、言ってみろ」
「お、俺は、別に!暴行だなんて……、そんなつもりじゃ……」
その視線に怯んだのかアベルはもごもごとそれより先の言葉は続けられず言いごもる。
レオンハルトの深いため息に、アベルは身を震わせた。
「じゃあどんなつもりだったと言うんだ。まさかその行為で彼女が喜ぶと思っていたわけでもあるまい」
「それは、だって…っ」
「だって、なんだ?お前は明確な悪意を持って、彼女に危害を加えた。どんな言い訳を並べ立てたとて、その事実は揺るぎない」
アベルは顔を真っ赤に染め、耐えきれなかったように叫んだ。
「それはこいつが生意気……っ!」
「もうやめて……っ!!」
しかしそれは別の悲鳴じみた声に遮られた。見るとカーラは苦しむように頭を抱えマカ、俯いている。その目からはぽたり、ぽたりと涙がこぼれ落ちていた。
「もう、やめて……」
「母さん……」
「やっぱり血は争えないのかしら」
その目は失望感に満ち、遠くを見つめている。
「それを言われては俺の立つ瀬もありませんが」
苦笑しながら言われた言葉にカーラは弾かれたように顔を上げる。
「ごめんね、レオンくん。そんなつもりじゃ……」
「いえ、わかっていますよ。大丈夫です」
どうやら2人にしかわからない話があるらしい。カーラは気を取り直すようにアベルを見ると、その前に膝をつき目線を合わせた。
「アベル、ねぇ、アベル。なんでこんなことをするの。前回の時あんた反省したって言ってたじゃない。嘘だったの?」
「それは……」
「あんた母さんにも先生にもミモザちゃんにも嘘をついたの」
「嘘をついてるのはミモザだ。俺は窓ガラスは割ってない!」
「あんた、何言ってるの」
アベルの決死の叫びに、しかしカーラは目を見張った。
「誰が窓ガラスの話なんてしたの。ミモザちゃんに怪我をさせた話をしてるのよ」
「……っ」
アベルは唇を噛みしめる。カーラdhaはそんな息子の様子に力無く首を振った。
「アベル、わたしはね、もしあなたがミモザちゃんと同じ目に合わされたらそれをした相手が憎いわ。死んでしまえばいいとさえ思うかもしれない」
「……っ!?」
「あんたのしたことはそういう行為よ。そういう最低なことなの。わからないの?」
カーラはアベルの肩を掴む。その瞳には焦燥があった。
「ねぇ、わからないの?アベル」
「……母さん」
「わたしはもう、あなたがわからないわ。一生懸命育ててきたつもりだった。愛情を持って、真っ直ぐ生きてくれたらと。でももうわからないのアベル。どうしたらいいのかがわからない。あんた、一体どうしたらまともになってくれるの?」
「か、母さん!」
「カーラさん」
そっと、レオンハルトはカーラの背中を慰めるようにさすった。そして残酷に言い放つ。
「アベルはおそらく病気です」
「お、俺!病気なんかじゃ……」
「普通の健常の人間は理由もなく暴力を振るったりなどしない。それは明らかに異常な行為だよ、アベル。
風邪を引いたら医者にかかるように、今回の件も専門家を頼るべきだと俺は思います。カウンセリングを受けさせましょう。更生のために。いい先生を探します」
「……レオンくん」
不安げに見上げるカーラに、レオンハルトは力強く頷サプリメント マカいてみせた。
「アベル自身の将来もですが、これ以上被害者を出さないことを第一に考えるべきでしょう」
「それは、入院させるってことかしら?」
アベルは息を呑む。しかしレオンハルトは首を横に振った。
「それは最終手段です。まずは通院でいいでしょう。それでどうしようもないなら入院させるしかありませんが。学校側に協力を仰いでアベルが暴力的な衝動を抑えられない様子がないかどうかなど見張ってもらいましょう。こう言ったことはちゃんと環境を整えて徹底的にやらないといけない」
そこでアベルへと向き直る。
「アベル。お前もいいね。お前に治療の意思がなければどうにもならん。苦しいとは思うが俺も協力を惜しむつもりはない」
「俺、病気じゃないよ」
アベルは途方にくれたように言った。自分の意思に反して進んでいく話についていけないのだ。
しかしレオンハルトはその言葉を言い逃れと捉えたのか追撃の手を緩めなかった。
「ではお前は正常な状態にも関わらずなんの罪悪感もなしに暴力を振るったということになる。そちらの方がよほど悪い。そうなのか?アベル。お前は生まれつき暴力的な行為が好きな人間なのか?」
問われてアベルは力無く首を横に振った。もう何も言えない様子だった。それに対してレオンハルトはやっと態度を軟化し優しく微笑み、なぐさめるように肩を叩く。
「まずは自分が異常な行動を取っていること、それを自覚するところから始めよう。大丈夫ゴーヤ。必ず良くなる。そうすれば心の底から申し訳ないことをしたとちゃんと反省し、謝罪することができるようになるだろう」
アベルは操られた人形のように無気力に首を縦に振った。レオンハルトもそれに同意するようにしっかりと頷き返す。
「頑張っていこうな」
そして立ち上がるとミモザの隣へと移動し「じゃあカーラさん。俺はミモザくんを家に送ってご家族に謝罪をしてきますので」と告げた。
それにカーラは焦ったようにエプロンを外しながら「わたしとアベルも一緒に……」と身を乗り出す。
しかしその言葉をレオンハルトは手で制し、首を横に振ることで断った。
「今のアベルの様子では謝罪などしても上べだけになってしまうでしょう。それでは先方にかえって失礼だ。まずは俺1人で謝罪に伺います。カーラさんはアベルのことをよろしくお願いします」
「……ごめんね、迷惑をかけちゃって」
「なにを言うんです。家族でしょう。俺はそのつもりでしたが違いましたか?」
カーラはその言葉を噛みしめるように俯いた。
「いいえ、違わないわ、ありがとう」
そしてミモザへと向き合う。その瞳はもういつもの理知的な光が戻ってきていた。
「ミモザちゃん、本当にごめんなさい。きちんとアベルのことは更生させます。あなたにも近づかせないようにするからね。本当にごめんなさい」
あまりにとんとん拍子に進む急転直下の状況に、ほぼ空気と化して流れを見ていただけだったミモザは首をぶんぶんと横に振ることしかできなかった。
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